心が揺さぶられた。7月27日、E-1選手権の日韓戦。豊田スタジアムで聞いた「声援」にだ。
 
 2020年に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが勃発して以降、サッカー日本代表の試合も大きな制限が設けられてきた。無観客で行なうゲームもあったし、有観客が許されてからもサポーターによる「声出し」が禁止されてきたのだ。
 
 しかし、このE-1選手権からようやく一部解禁。常時のマスク着用など感染対策を施したうえで、ゴール裏の「声出し応援エリア」のみサポーターの声援が許された。
 
 第1戦は平日夜でアクセスの悪い県立カシマサッカースタジアム開催という悪条件が重なり4980人の動員に留まったものの、豊田スタジアムでの第2戦は1万526人に増え、同じく豊田開催の第3戦はライバルの韓国が相手だった関係もあり1万4117人まで客足が伸びた。
 
 日韓戦の声出し応援エリアでは、熱狂的なサポーターが気持ちのこもった声援を響かせた。選手の名前を呼び続け、「ニッポン!ニッポン!」のコールは相手の「テーハミング!テーハミング!」をほぼ完全に掻き消すほどだった。
 
 もちろん動員は日本代表の試合にしては寂しいものではあるが、久々に「代表戦らしさ雰囲気」を感じた。自分のような記者でさえ心が揺れたのだから、国を背負って戦う選手たちの気持ちを揺さぶったのは間違いない。森保一監督も日韓戦後に次のように語った。
 
「サポーターの声出し応援の後押しで、選手はゲームの中で苦しい時にひと踏ん張りできるし、気持ちを上げられる。厳しい戦いだが、試合を楽しむ気持ちにもなる。戦うメンタリティー、気持ちを上げてくれるのは、サポーターの声出し応援だなと改めて感じさせてもらったし、応援にはとても感謝したい」
 
 日韓戦の3−0という快勝は、選手の頑張りはもちろん、サポーターの“声”も大きな要因になっていたはずだ。サッカーを含むスポーツにとって声援がどれだけ大事なのかを、改めて感じた夜だった。
 
 もちろん、森保監督の「ただ、まだまだコロナ禍は続いている。今後も感染対策はしっかりしながら、日常生活に早く戻ってくることを願っています」という言葉にも全面的に同意する。Jリーグでも7月30日の試合から声出し応援エリア/声出し応援席を段階的導入するだけに、その推移を見守りたい。
 
取材・文●白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

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