池田太監督率いるU-20日本女子代表が、コスタリカで8月10日に開幕するU-20女子ワールドカップで連覇を目ざす。チームは7月29日に日本を出国。海外キャンプを経て大会へ向かう。

 21名のメンバーで、守備の中心となりそうな選手のひとりが、西野朱音(マイナビ仙台レディース)だ。常盤木学園高校に通っていた2018年、静岡で行われたインターハイで優勝した。猛暑が厳しく、キックオフ時刻が変更されるなか、堅守の中心となり、戴冠を果たした。

「当時のことはよく覚えています。すごく気温が高くてウォーターブレイクだったり、普段の試合で経験しないようなことが入ってきたりしたなかで優勝できた。自分の中でも初めてのタイトルだったのもありますし、高校サッカーに入ると決めた時に高校選手権やインターハイで優勝するというのを目ざして入ったので、一番嬉しかった」
 
 前年度は、なかなか試合に出ることができなかったが、2年生になったこの年、徐々に試合に絡めるようになり、自信がついた。それは、現在を戦ううえでも支えになっているという。同世代には、藤枝順心高校でプレーした長江伊吹(AC長野パルセイロ・レディース)がいる。「いちばん負けたくなかった相手」(西野)とは、この年の夏冬ともに対戦し、インターハイでは地元優勝を狙うライバルを準決勝で、選手権ではPK戦の末に初戦でで下した。

 たまに、ふたりで当時のことを振り返る際に「長江選手がPKを外したんですよね。それを今もいじったりしています(笑)」。ふたりが3年生になった翌年度の選手権では長江の藤枝順心が優勝。今回のU-20女子代表には、ふたりともDF登録で名を連ね、手を携えて優勝を目ざす。

「連絡が来た時は素直に嬉しかった。それと同時にやらなくてはいけないなというスイッチが入りました。これまでキャンプで積み上げてきたものを、全員がしっかり発揮できれば結果が見えてくると思う。優勝を目ざして戦いたいと思います」(西野)
 
 藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)は、左右両足から放たれる振りの鋭いシュートが魅力のストライカー。今回のメンバーには藤野の他に、野田にな、岩﨑心南、山本柚月がベレーザから参戦し、メニーナ登録の大山愛笑、土方麻椰も加えれば21名中6名を占める。藤野らの成長が、WEリーグ初年度を無冠で終わった、名門復権のカギを握るメンバーだ。

「チームを代表して行くというなかでは、自分の持っている力を最大限に発揮する必要があると思うし、WEリーグの開幕初年度が3位で終わったというのは、女王を目ざしていたし、すごく悔しい部分がある。今年の10月から、またリーグが開幕しますけれども、そこで優勝を目ざすうえでも、ここで力を発揮できれば」

 藤野も、沖縄で行なわれた2019年のインターハイで優勝を経験している。日テレ・メニーナ・セリアスから、高校サッカーに進路をとった藤野にとって、十文字高校入学後、最初の全国大会だった。藤野は、岡山作陽高校との初戦で、膠着した状況を打開する圧巻の先制点を奪い、さらにダメ押し点まで決めた。
 
 優勝を決めたファイナルでは、十文字のチームメイトとして1年先輩の杉澤海星(大宮アルディージャVENTUS)、対戦相手の日ノ本学園高校には今大会不出場となった竹重杏歌理(INAC神戸レオネッサ)がプレーしていた。

 明日、7月30日に、徳島市球技場第1競技場でインターハイ女子サッカーの決勝戦が行なわれる。藤野らが優勝した2019年以来3年ぶりの優勝目ざす十文字と、悲願の初優勝を期す大商学園高校のカードだ。

「十文字は、去年は1回戦負け。今回決勝戦まで行ってくれたのは個人的にもすごく嬉しいことでありますし、やっぱり頑張ってほしいなというのがあります。自分自身も、十文字卒業生のひとりとして、世界で活躍する姿を、後輩たちに見せたいと思います」(藤野)

 西野、藤野ら、U-20なでしこが大会2連覇を達成し、今夏のインターハイから彼女らに続くタレントが現われるか。それらは、なでしこの復権へ向けて、力強い材料となるはずだ。

取材・文●西森彰(フリーライター)

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