芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏がセレクトする「J1月間ベストイレブン」。7月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。MVPには、横浜F・マリノスのFWレオ・セアラが選出された。

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 GKは浦和の西川周作。勝利したFC東京戦を無失点で終え、J1無失点試合を170試合とし、新記録を樹立。観客を唸らせるキックの美しさは言うまでもないが、見事なセービングで幾度となくチームを救い、勝点をチームにもたらしてきた。

 苦しい時もチームを鼓舞し、勝利後の笑顔で観客に喜びと安心感を与える。記録を樹立したFC東京戦も見事な「Nice Shut Out!」だった。

 フィールドプレーヤーはあまりシステムのことは気にせず並べています。

 DFは3枚で右にC大阪の松田陸。常に守備ではタフに戦いつつも、絶妙なタイミングでの攻撃参加。そして、第23節まですべての試合でスタメン出場。もっと評価されても良いはずの選手の一人。
 
 中央は広島の荒木隼人。冷静なラインコントロールだけではなく、対人の強さが素晴らしい。第22節・京都戦、ピーター・ウタカとのマッチアップは見応えたっぷり。186センチの高さを生かした空中戦の強さは圧巻だった。

 左には横浜の岩田智輝。ディフェンスでも中盤でも高いパフォーマンスを常に発揮。どの選手が出場してもチームが機能していたのは、この選手のおかげと言っても過言ではない。

 中盤はトリプルボランチ気味に3枚で中央に柏の椎橋慧也。柏の安定した戦いにおける貢献度は非常に高かった。足下の技術力はもちろんポジショニングが素晴らしい。椎橋のことを中盤の底という人もいるが、中盤の底というよりもチームのへそ。ボールの位置と選手の配置をもとに、ポジションを取ることで、こぼれ球が椎橋のもとに来ることが少なくない。

 椎橋の少し前にはC大阪の鈴木徳真。常にポジション修正しながら攻守に関われるだけでなく、キックの精度も素晴らしい。第19節・川崎戦でのFKからの2アシストは絶妙で、空中にボールを置くような合わせやすいボールを供給することができる。
 
 中盤のもう一人は浦和の伊藤敦樹が光っていた。スケール感があり中盤にダイナミックさをもたらすことができる。中央をドリブルで運べるのは実に魅力的。チームに前向きのパワーを与えることができる。

 攻撃的な中盤の右には鹿島の和泉竜司。技術力はもちろんのこと常に走り続けることができる献身性が素晴らしい。一人少なくなった神戸戦でも走り続けゴールを奪い、引き分けに持ち込んだ。

 90分に常本佳吾のスローインをゴールラインぎりぎりまで追う姿に実況の下田恒幸氏は「懸命に和泉!懸命に和泉!」と献身性を讃え、解説の水沼貴史氏はゴールに関し「神様がくれたご褒美」とハードワークに賛辞を贈った。派手さはなくとも鹿島の中盤には欠かせない選手である。
 
 攻撃的な中盤の左にC大阪のジェアン・パトリッキ。5試合すべて途中出場ながら3ゴール。スピードだけでなくゴールを決めきる力があることを証明した。大阪ダービーで90分に自陣からのカウンターで自ら運び決めきったゴールは印象的。試合終盤にチームをギアチェンジさせることができる選手である。

 フォワードの一人は神戸の大迫勇也。5試合すべて途中出場ながら3試合連続ゴール。シュートやポストプレーだけでなく、すべてのプレーに鬼気迫る迫力があった。対峙したディフェンスはきっと怖さを感じたに違いない。リーグ戦は終盤に向かっていくが、大迫のプレーはさらに見逃せないものになっていくだろう。

 そしてフォワードのもう一人であり、今月のMVPは横浜F・マリノスのレオ・セアラ。清水戦のハットトリックも含め5試合で6ゴール。シュートパターンも多く、クロスやラストパスに対する反応が鋭い。スピード感溢れる横浜の攻撃を完結させるトップの選手として見事なパフォーマンスで、攻撃陣だけでなくチームを勢いづけた。7月の活躍はMVPにふさわしい。

取材・文●平畠啓史

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