[ACLラウンド16]神戸3−2横浜/8月18日/日産スタジアム
 
 横浜F・マリノスにとってACL制覇は今季の目標のひとつだっただけに、悔しい敗戦となった。
 
 ACLの舞台は今回で5回目。これまでの最高位は2020年大会でのラウンド16で、この先に進んだことは一度もない。だからこそ、主将の喜田拓也は試合前日の会見で、「マリノスの歴史上で突破したことがない、見たこともない景色になる。必ず自分たちの力で未来を切り開きたいし、その力があるチームだと信じている」と宣言していた。
 
 こうした強い想いで、アジア8強入りがかかるヴィッセル神戸戦に挑んだが、立ち上がりの7分、自陣でのビルドアップのパスミスを狙われ、そこから崩されて早々に失点。その2分後にはすぐさま西村拓真のヘディングシュートで追いつくも、29分にはペナルティエリア内でのハンドでPKを献上し、これを決められて、1−2とリードを許す展開で前半を折り返した。
 
 迎えた後半は、横浜らしいテンポの早いパスでリズムを作り、サイドから猛攻を仕掛ける。サポーターの声援(声出し応援適用試合)もあって埼玉スタジアムには押せ押せムードが高まっていたが、80分に3点目を奪われる。試合終了間際にアンデルソン・ロペスのゴールで1点差に詰め寄るも、追いつくことはできず2−3で敗戦した。
 
 試合後、喜田は初の準々決勝進出を果たせなかったことについて、「今の気持ちに相応しい言葉が見当たらない」と悔しさを露わにした。そしてこう続ける。
 
「チームメイト、チームスタッフ、ファン・サポーターに、こんな想いはもうさせたくない」
 
 この試合、特に前半は神戸のほうが守備の強度が高く、セカンドボールへの寄せも早かったように思う。横浜はポゼッションこそ上回っていたが、なかなか効果的なパスが出せない状況だった。後半はストロングポイントが出せていただけに、前半の試合運びが勝敗を左右したとも言えるだろう。
 
 喜田は、敗戦の原因についてはこれから振り返りたいとしたうえで、「相手のやりたいことは早い段階で掴めていたけど、自分たちのボールを握る時間を上手くコントロールすることができなかった」と反省の弁。ただ、「相手の狙いを凌駕するだけの質だとか、共通意識を持つところは上げていける」と前を向く。
 
 それよりも強調していたのは、チームを勝利に導く力が足りなかったという自責だった。
 
「自分にもっと力があれば結果は変わったと思うし、この結果になった責任は自分にある。このチームと仲間を誰よりも想っているからこそ、もっと力をつけないといけないし、それが自分が果たす責任だと思う。この状況から逃げずに、どれだけ時間がかかってもチームを救える男になりたい」
 
 76分にアンデルソン・ロペスとの交代でピッチを去った喜田の姿からは無念さが滲み出ていた。
 
 しかし、ここで下を向く選手がいないのが今の横浜だ。タイトルの可能性はリーグ戦のみとなったが、そのリーグ戦は現在首位。トリコロールの背番号8は、宮市亮が右膝前十字靭帯断裂の大怪我で戦列を離れた直後の23節・鹿島戦の勝利後に、優勝への決意と覚悟を口にしていた。リーグ戦は残り10節。不屈の精神で、3年ぶりのリーグ制覇に向けて突き進んでほしい。
 
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)
 
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