チーム発足後初となるAFC(アジアサッカー連盟)主催の公式戦に臨むU-19日本代表が、9月12日に控えるラオスとの初戦を前に現地で調整を続けている。

 来年5月のU-20ワールドカップ出場を目ざすなか、今回挑むのは、来年3月にウズベキスタンで行なわれるU-20アジアカップの予選。U-20アジアカップは、U-20ワールドカップの最終予選を兼ねるため、今予選は“U-20ワールドカップの一次予選”に相当する。

 力では日本が頭ひとつ抜きん出ているが、油断は禁物。直前合宿を9月4日から千葉県内で実施し、9日からは予選が開催されるラオスで最後の調整を行ない、コンディション向上や戦術の確認に努めてきた。

 そうした状況下で冨樫剛一監督率いるU-19代表で、キーマンになりそうな選手がいる。それがC大阪でプレーするFW北野颯太だ。

 現在高校3年生の北野は、主にFWと2列目を担うアタッカーだ。今年2月にプロ契約を結び、すでにJ1では14試合に出場し、ルヴァンカップでは7試合で3得点をマークしている。

 世代別代表の常連でもあり、U-19世代のなかで国際経験はトップクラス。多くの選手がコロナ禍で海外遠征を味わえていないが、北野は2019年の秋にU-17ワールドカップ出場を目ざすU-15代表の一員として、U-16アジア選手権(現U-17アジアカップ)予選を戦った。Jリーグでの実績に加え、国際舞台における経験は、この世代屈指のレベルにあるのは確かだろう。

 そんな北野に対して首脳陣も大きな期待を寄せており、それは背番号10を託した点からも窺える。本人も責任の重さを感じており、チームを牽引するエースとして気を引き締めている。
 
「10番で期待されているのは、自分でも感じていますし、監督やコーチはもちろん、日本にいるサッカーファンやセレッソのサポーターの期待を背負わないといけない。10番じゃなくてもそれは変わらないですけど、10番になった以上はこのチームを勝たせないといけない。その責任や覚悟は持っています」

 今思えば、中学3年生の頃はそんなことを口にするような選手ではなかった。初めて北野を取材したのは、彼の中学生活最後の夏。帯広で開催されたU-15クラブユース選手権では口数が少なく、おとなしい印象だった。

 ピッチ内でも淡々しており、自分の好きなプレーで勝利に貢献するタイプの選手というイメージが強い。どちらかといえば守備は苦手で、少なくともユニホームを汚して泥臭く戦うような選手ではなかったと思う。

 だが、U-17代表を指揮する森山佳郎監督などから口酸っぱく“戦う”重要性を説かれ、C大阪や世代別代表での経験を通じて、少しずつ守備でもチームに貢献できる選手に変貌。北野の変化に、中学時代を知る金晃正氏(現・C大阪U-15監督)も「戦える選手になりましたね」とその成長ぶりに舌を巻くほどで、誰からも認められる存在となった。

 今予選が行なわれるラオスは、U-15代表の一員としてU-16アジア選手権の一次予選を戦った場所でもある。当時の記憶は断片的だが、東南アジア特有の蒸し暑さやスコールも体験済み。環境面の適応に問題はなく、10日のトレーニングでも軽快な動きで状態の良さをアピールしていた。

 アウェーの雰囲気で戦うことに対してもポジティブに捉えており、「観客が入ったほうが燃えるので有り難い」と言い切る。予選突破に向けて最高のスタートを切るためには、10番の活躍が必要不可欠。自身の成長を示すためにも、初陣で北野が求めるのは結果だけだ。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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