J1は横浜の3年ぶり5度目の優勝で幕を閉じた。最終節で神戸に勝利し、2連覇していた川崎を勝点2差で振り切った。

 横浜は外国人選手の活躍が目立ったね。攻撃陣では11得点を挙げたアンデルソン・ロペスとレオ・セアラや、8得点のエウベル、守備陣ではセンターバックのエドゥアルドの貢献が大きかった。

 もともと、有名でなくても力を発揮できる外国籍の選手を獲るのが上手いチーム。マルコス・ジュニオールのように長く在籍する選手もいるし、アンデルソン・ロペスとエドゥアルドは今年加入したけど、日本での実績がある選手。効果的な補強だった。

 同じく新加入だった西村も活躍したし、若手の台頭も目立った。ただ、カタール・ワールドカップの日本代表に1人も選ばれなかったのは残念だね。

 一方、川崎は取り組んだサッカー自体は悪くなかったけど、外国人選手が期待外れだったのが大きく影響したと思う。12得点のマルシーニョは活躍したものの、エースで昨年得点王だったレアンドロ・ダミアンは5点止まりで、9月以降は出場できなかった。守備の要ジェジエウが、怪我の影響で12試合にしか出られなかったのも痛かったね。
 
 家長は36歳にして12ゴールなど、素晴らしい活躍だった。ワールドカップの日本代表にも谷口と山根が選ばれた。ただ、ポジションによっては高齢化が心配される。試合では、去年までのような圧倒的な強さを見せられなくなってきている。

 横浜と川崎の今後のチーム作り次第では、盟主交代が起こるかもしれないね。

 また、期待値が高かった鹿島やFC東京、名古屋、浦和、神戸といったクラブが、思うような結果を残せなかった。鹿島は4位といっても、横浜とは勝点差が16もある。

 気になったのは、各チームの補強が目立たなくなっている点。もしかしたら、コロナの影響でスポンサー企業の経営が厳しくなり、資金を出しにくくなっているのかな。地域からの協力を含めた、チームの作り方を考え直す時期に来ているのかもしれない。

 今年、トヨタ自動車がイタリアのローマのスポンサーになった。ベルギーのシント=トロイデンも、以前から日本企業がサポートしている。なぜ、企業がJリーグでなく海外のクラブのスポンサーになるのか。Jクラブの経営者には真剣に考えてもらって、より魅力のあるクラブにしてもらいたいね。

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 下位のチームを見ると、17位の清水と最下位の磐田が降格となり、来季はJ1から静岡勢がいなくなる。ともにかつては優勝争いをしていたチーム。寂しい限りだ。

 磐田は黄金時代だった頃のようなスター選手の獲得が見られず、わずか1年でJ2に戻る。厳しい言い方になるけど、磐田はJ1にふさわしいチーム作りができていなかったのではないだろうか。

 J3では、藤枝がJ2昇格圏内の2位につけている。もし上がってきたら、静岡県の先輩として清水と磐田は負けるわけにはいかないよね。

 また、J1参入プレーオフでは大分、山形との対戦で勝ち上がった熊本が、13日にJ1で16位の京都と対戦する。残念ながらそれほど大きな話題にはなっていないし、J2で6位のチームをプレーオフに参加させるレギュレーションも疑問だ。
 
 トーナメントの結果、京都が残留、または熊本が昇格したとして、果たしてJ1のレベルは上がるのか。

 リーグのレベル向上を考えるなら、昇格と降格を4チームずつにするのも手だと思う。もちろん、ルールは事前に決まっていたし、戦い方や補強は変わるから“たら・れば”はない。それでも、もし4チームが降格となれば、G大阪までが“J2行き”になっていた。そう考えると、J1のチームは緊張感が増すと予想される。それが、チームの補強姿勢にも好影響をもたらすんじゃないかな。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、77歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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