10月27日、敵地で行われたヨーロッパリーグ(EL)のオモニア・ニコシア戦だった。32分、右のウイングとしてプレーしていたタケ・クボ(久保建英)が、相手選手と接触した際に左肩を負傷。前半のみのプレーにとどまった。

 試合後、自身のSNSに「僕は大丈夫です」と投稿し、週末のベティス戦に出場に意欲を示したが、実際は、身体を動かすと患部の痛みが想像していた以上に深刻であることに気が付いた。検査を受けた結果、左肩の肩関節の脱臼と診断され、理学療法を開始した。

 以来、レアル・ソシエダはラ・リーガのベティス戦とバレンシア戦、ELのマンチェスター・ユナイテッド戦の3試合を戦い、1分け2敗と1勝もできていない。ベティス戦とバレンシア戦では、審判の判定にも泣かされたが、タケに加えて、ミケル・オジャルサバル、ダビド・シルバ、モハメド=アリ・チョ、ウマル・サディク、アンデル・バレネチェアスと攻撃陣に怪我人が続出しているチーム状況が関係しているのは間違いない。

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 スペインには何かと難癖を付ける輩が存在する。今回のタケの欠場についても、W杯を見据えて温存しているのではないかという噂が一部に流れていた。

 そんな中、イマノル・アルグアシル監督はバレンシア戦を控え、「タケの考えは明確だ。彼は私のこと、チームのことを理解している。スタメンとしてプレーしてきたのは、そうしたチームファーストの姿勢を体現してきたからだ。タケはワールドカップが目前に迫る中でも、無理してでも試合に出場したいと一番に願う選手なんだ」と擁護。招集リストに名を連ねていることを明かした。

 しかし、タケに出番が回ってくることはなかった。大きく影響したのが、17分のアリツ・エルストンドの退場だ。1人少なくなれば、当然各選手の負担は増す。実際、アルグアシル監督は、試合後、同じく招集リストに復帰したが、出場機会が訪れなかったシルバも含めて、「どちらもしばらくプレーしていない。11対11人だったら、きっと2人ともフィールドに出ていただろう。でも1人少ない中でプレーできる状態ではなかった」と説明している。
 今夜、ソシエダはセビージャと対戦する。W杯前最後の試合だ。アルグアシル監督は昨日の記者会見で、タケとシルバの出場を示唆した。

「練習ぶりを見ると、コンディションはぐっと上向いている。彼らが確信しているのなら、リスクを冒すタイミングが訪れた証だ。タケはワールドカップ出場に燃えている。でも同時にセビージャ戦でプレーし、勝点26を置き土産にチームを離れることを願っている」
 
 クラブ関係者によれば、タケの状態はまだ100%ではないという。先発出場するかどうかまでは疑問が残るが、貴賓席で観戦していたマンチェスター・ユナイテッド戦で拳を上げて判定に抗議する姿をキャッチされた彼のチームへの忠誠心はクラブ内の誰も疑っていない。今夜、タケがピッチに戻ってくる可能性は高い。

取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸

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