11月7日に開催された2022Jリーグアウォーズで、今季のJ1ベストイレブンが発表され、最優秀選手賞(MVP)には横浜のDF岩田智輝が選ばれた。シーズンを通じてリーグをおおいに盛り上げた11人。その顔触れには様々なセレクトがあるはず。本稿では、フリーライターの元川悦子氏に選定してもらった。

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 突出した存在が不在という印象の強かった2022年のJ1だったが、3年ぶりのリーグ制覇を果たした横浜、最終節まで彼らを追走した20・21年の王者川崎、リーグ3位でルヴァンカップを制した広島から主に選出した。

 まずGKだが、リーグ最少失点の35という数字を踏まえ、横浜の高丘陽平か、名古屋のランゲラックの2人を候補に挙げた。が、やはり高丘のほうがリーグ優勝という大きな成果を残している。そこで彼を選んだ。

 守備陣は文句なしの顔ぶれ。岩田と小池龍太は間違いなく横浜の最終ラインを力強く支えていたし、川崎の谷口彰悟、山根視来の日本代表コンビもJ1屈指の安定感を示した。

 とりわけ谷口は、優秀選手賞30名を決めるJ1全18クラブの監督と選手による投票で最多得票を獲得したのも頷ける話。川崎が優勝できなかったため、MVPは岩田ということになったのだろうが、谷口がMVPでも異議を唱える人はいなかったはず。代表での存在感や成長ぶりを含めて、彼は特に強く推したい。

 中盤は悩んだが、広島で目覚ましい活躍を見せた野津田岳人と満田誠はベストイレブンに値する。一方、岩田、谷口と並ぶMVP候補だった家長昭博も誰もが認めるところ。ご存じの通り、彼は川崎では右サイドを主戦場としているが、水沼宏太とポジションがかぶるため、インサイドハーフに置いてみた。

 実際、家長は試合中も前後左右にフリーマン的に動くことが多い。12得点という数字も含め、36歳のベテランは異彩を放ち続けた。
 
 サイドハーフはクロスマスターの水沼と、強烈な個の打開力を誇るマルシーニョがダントツではないか。右の水沼はJリーグ発足30年目の今年、「J発足時にも水沼(貴史=父)がいて、30年経った今も水沼がいる。それをしっかり印象付けたい」と特別な思いで今季に臨んでいた。

 その結果が32歳での初のベストイレブンと代表デビューだった。苦労人がここへ来て才能を開花させたことで、多くの人々に勇気と希望を与えたはずだ。

 最後のFWは、14ゴールで得点王に輝いた清水のチアゴ・サンタナが順当だろうが、湘南のJ1残留請負人として13ゴールを挙げた町野修斗をあえて抜擢した。

 7月のE-1選手権で3ゴールを挙げて日本代表定着の布石を打ち、追加招集でカタール・ワールドカップ本大会行きを勝ち取った点も前向きに捉えたい。

 彼は日本サッカー界が求めていたマルチ型の大型FW。今年のパフォーマンスを自信にして、さらなるブレイクを果たしてほしい。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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