タケ・クボ(久保建英)はすでにW杯モードに切り替えた。カルロス・フェルナンデスの負傷で、急遽出番が回ってきたセビージャ戦で、4戦ぶりの実戦復帰を果たした。レアル・ソシエダは13日、コパ・デル・レイ1回戦、カザレガス戦に臨むが、タケはその試合を待たずして、日本代表に予定より早くに合流することになった。

 クラブがこの早期離脱を認めたのは、加入以来の貢献に対する感謝のメッセージが込められている。セビージャ戦でもタケは奮闘を見せた。試合開始から10分も経たないうちに、カルロス・フェルナンデスが足の痛みを訴え、ベンチに交代を要求。現在ソシエダはとりわけ攻撃陣に多くの怪我人を抱えている。前回の記事でレポートした通り、タケも100%のコンディションではなかったが、選択肢が限られているイマノル・アルグアシル監督は前倒しで起用せざるを得なかったのが実情だろう。
 

 実際、この試合が同じく復帰戦だったダビド・シルバをスタメンで起用し、タケをベンチスタートにした指揮官の判断を裏付けるように、まだしっくりきていない様子で、試合中、左肩を気にするシーンも何度か見られた。日本代表で適切な治療を受け、11月23日に行われるドイツとの初戦に万全のコンディションで臨めることを切に願っている。

 タケの復帰を誰よりも喜んだのが、怪我する前まで2トップを形成していたアレクサンダー・セルロトだろう。ただシステムはいつもの4−4−2から4−3−3へシフト。タケは左サイドを主戦場にプレーした。これはイバン・ラキティッチとタンギ・ニアンズの退場で、ソシエダが2人多い状況でプレーしていたことと関係していた。

 チャンスをいくつも創出したという点においては、タケは素晴らしいプレーを見せた。初めて相手GK、ヤシン・ボノの付近に顔を出したのは23分。しかしボールを追っている中、ネマニャ・グデリのクリアボールが後頭部に直撃し、しばらくの間、意識が朦朧としてしまう不運に見舞われた。

 ハーフタイム間際には、立て続けに左サイドから鋭いクロスを送り込んだ。しかしシルバのシュートはGKボノの正面を突き、ヘスス・ナバスからボールを奪い作り出したチャンスは、セルロートがゴールに結びつけることができなかった。

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 後半に入っても、積極果敢なプレーが光った。57分、ロビン・ル・ノルマンのロングパスを受けると、ドリブルで切れ込み躊躇なく右足を一閃。シュートしたボールは相手DFに当たってコースが変わりクロスバーの上を越えていったが、ボノを驚かせるには十分だった。その直後にも左サイドからクロスを供給。シルバのシュートをボノが弾いてファーサイドに流れたボールにセルロートが反応するも、うまく合わせることができなかった。

 69分、ゴール前で絶好のチャンスを迎えるも、左足から放たれたシュートはボノにセーブされ、75分にも右サイドに中に切り込み右足でゴールを狙うも、枠外へ。結局、タケもチームもダメ押しの3点目を奪えないまま、2−1でタイプアップを迎えた。
 
 アルグアシル監督はW杯前に最後の努力を要求し、タケはその呼びかけに応えた。欺くことも、失望させることもない。前半戦のパフォーマンスは、十分に及第点を与えることができる。さらにこのセビージャ戦でも改善の余地があることを露呈したフィニッシュワークに磨きをかけることができれば、まだまだ貢献度を高めることは可能なはずだ。

 この14節を経て、ラ・リーガはブレークに突入。ファンにとってはW杯に一喜一憂する1か月が始まる。我々はただ君の幸運を祈っている。Eskerrik asko Take(どうもありがとう、タケ)!

取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸