【神戸|ポジション別最新序列】今季も継続しそうなイニエスタ&大迫の“代役問題”。予想が難しいのは右SBの人選
来るべき新シーズンに向けて、戦力補強やキャンプインなど、各クラブが着々と準備を進めている。いかなる陣容で新たな戦いに臨むか。本稿では、ヴィッセル神戸のポジション別最新序列をお届けする。
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【GK】
飯倉大樹を放出した今季、ブラジル代表歴のあるウーゴ・ソウザ獲得の噂もあるが、原稿作成時の登録は前川黛也、坪井湧也、廣永遼太郎の3名。今後の動向によって序列の変動も考えられるが、現時点では昨季の出場試合数を見ても前川(リーグ戦18試合出場)が正GKで間違いないだろう。
2番手はアカデミー育ちの坪井。昨季は33節の川崎戦でプロデビューを果たし、続く34節の横浜戦にも出場している。2試合で5失点とプロの洗礼を浴びたが、J1トップ2の強さを肌で感じられた経験は今季につながる財産と言えるだろう。
廣永は昨季出場0試合だが、10試合でベンチ入りを果たしている。経験値は坪井よりも高く、2番手争いは熾烈だ。
【DF】
CBは菊池流帆とマテウス・トゥーレルの組み合わせが最有力だろう。トゥーレルは右CBが本職だが、昨季は左CBもそつなくこなしている。左CBは京都から加入の本多勇喜や昇格組の寺阪尚悟も候補だが、総合的に見てトゥーレルが1つ上か。
また、仮に菊池にアクシデントがあった場合は右にトゥーレル、左に本多という組み合わせも可能。さらにアカデミー育ちの尾崎優成、昨季はアンカー起用が多かった大﨑玲央もいる。CBは柔軟な布陣が整ったと見ていい。
左SBは今季も酒井高徳が先発、初瀬亮が控えと考えられる。予想が難しいのは右SBだ。攻撃重視なら飯野七聖、守備優先なら山川哲史という構図が今季も続くのであれば、対戦相手によって先発は変わりそうだ。
【MF】
中盤はアンカー1枚&インサイドハーフ2枚、もしくはボランチ2枚&トップ下1枚の2パターンが基本になるだろう。いずれもセルジ・サンペール、山口蛍、アンドレス・イニエスタを主軸に、コンディションに応じて大﨑、扇原貴宏、新加入の齊藤未月らを使ってローテーションを組むと思われる。
問題はイニエスタがピッチにいる時といない時でサッカーが変わること。この点は昨季最終節の後に山口も「その差をどう埋めるかが来季も課題になる」と指摘している。現状、イニエスタの代役を中坂勇哉だけに背負わせるのはやや荷が重い。齊藤を入れてハイプレスからカウンターというアップテンポな戦い方にシフトするのが無難な策と言えそうだ。
【FW】
1トップに大迫勇也、右ウイングに武藤嘉紀、左ウイングに汰木康也という布陣が最有力だろう。とはいえ、その3人に先発が保証されたわけではない。
特にウイングはC大阪からジェアン・パトリッキ、ポルティモネンセから川﨑修平、びわこ成蹊スポーツ大から泉柊椰ら個性的なアタッカーを迎え、ポジション争いは昨季よりも激化している。既存の佐々木大樹、高卒ルーキーの浦十藏も含めて誰がスタメンの座を射止めるかは今季の楽しみだ。
言い方を変えれば、それだけ選手層が厚くなった証拠でもある。ただ、トップは大黒柱・大迫の代役問題が今季も継続しそう。ステファン・ムゴシャや昇格組の冨永虹七が控えているが、イニエスタと同じく大迫は替えがきかない。
取材・文●白井邦彦(フリーライター)
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