[キリンチャレンジカップ]日本 1−1 ウルグアイ/3月24日/国立競技場

 日本代表は第二次森保ジャパンの初陣となるウルグアイ戦で1−1のドロー。負けなくて良かったというゲームだった。

 今回は僕も久しぶりに現地で日本代表の試合を観戦したけど、コロナの規制もある程度緩和されて、歓声も大きく、6万人が入った国立競技場の光景は圧巻だったね。

 そういう素晴らしい環境の中だからこそ、是非とも勝ってほしかった。試合内容でも、日本のほうが相手を苦しめるだけのチャンスを多く作ったのかというと、そこまでではなかった。

 守備では、吉田や長友が不在のなかで、招集されて先発した菅原や瀬古ら新しい選手たちは安定したプレーで、チームの雰囲気を盛り上げてくれるような好パフォーマンスを見せてくれた。ただ、攻撃ではフィニッシュで終える回数がまだまだ少ないと感じた。
 
 全員がボールを大事にしすぎている印象で、リズムの緩急をもう少しつけた攻め方をしてほしかった。森保監督も、ボール保持の時間を増やしていこうと考えていたはずだけど、それだけでは得点は奪えない。

 遠藤がセンターバックの間に下りて3バックを作り、両サイドバックを上げて、前線に人数を増やすというチャレンジはしていた。でも、細かなポジショニングや立ち位置、ボールを回すタイミングの精度も足りないと感じたし、もっとワンタッチパスを使ってリズムの変化を生む部分などをチームとして工夫すべきだった。

 ただ個人として、Jリーグのプライドを見せた西村は、非常に良くやったと思う。与えられた短い時間の中で同点ゴールを決めて、プレーにも「絶対、次も代表にも呼ばれるんだ」という意欲が表われていた。ピッチ上の表現力、魂のこもったプレー。あの気持ちの強さをほかの選手たちにも持ってもらわないと、ワールドカップでのベスト8以上は無理だよ。
 
 トップ下に入った鎌田は、ポテンシャルは絶対的に高いはずなので、それをチームでどう活かすか。今回の試合では、鎌田と周囲の選手に距離がありすぎて、なかなか鎌田に良い形でボールを預けられなかった。ボールを受けても距離感が遠いので、周りを使えず、攻撃が止まってしまうシーンがあったよね。孤立感がすごくあった。そういったコンビネーションを今後の積み重ねで強化していかないといけない。

 また、相変わらず三笘と伊東のクオリティはさすがだった。世界の強豪国に脅威を与えられるのはこの2人。だからこそ、この両サイドのキープレーヤーをどう活かすかが重要だ。

 個の力で突破ができるので、相手は絶対にケアせざるを得ない。三笘と伊東が厳しいマークに遭って抑えられた時に、周りの選手が攻撃のバリエーションを増やしてくれれば、もっと左右を自由に崩せると思う。

 伊東と三笘がいるのは日本の武器なのは間違いない。世界の強豪国相手にも通用する能力を持っている2人がサイドにいる優位性を活かしてほしい。彼らを中心に考えた戦術を構築してもいいくらいだよ。
 
 とにかく、前提としてアタッキングサードでの崩しから、しっかりフィニッシュで終わること。そして、ディフェンスラインからのビルドアップの精度をさらに高めて、ボールをキープして、相手のスタミナを消耗させる戦い方で勝てるチームにならないといけない。ポゼッションを高めないと世界で継続的に勝つのは難しいからね。

 ワールドカップでもポゼッション率が低かったのが課題だったわけだから、28日のコロンビア戦は、そこを高めつつ、勝ち切ってほしい。

【著者プロフィール】
金田喜稔(かねだ・のぶとし)/1958年2月16日生まれ、65歳。広島県出身。現役時代はドリブルの名手として知られ、中央大在学中の1977年6月の韓国戦で日本代表デビューを飾り、代表初ゴールも記録。『19歳119日』で記録したこのゴールは、現在もなお破られていない歴代最年少得点である。その後は日産自動車(現・横浜)でプレーし、1991年に現役を引退。Jリーグ開幕以降はサッカーコメンテーター、解説者として活躍している。

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