[J1第10節]鹿島4−0G大阪/4月29日/県立カシマサッカースタジアム
【PHOTO】鹿島の出場16選手&監督の採点・寸評。高採点「7」が5人。無失点の守備陣も軒並み高評価

 鹿島が今季初の2連勝を果たした。ホームでの勝利は昨年8月以来だ。

 少しホッとした様子で会見場に現われた岩政大樹監督は、「ホームで勝っていないというプレッシャーもあった」とし、「心配性なので、試合前にいろんな不安もあった。今日勝つことがあれば、こういう展開かもなと」試合を振り返った。

 鹿島は前回のホームゲームでは神戸に1−5と歴史的大敗を喫していた。試合後にはサポーターの前に鈴木優磨が立ち、ブーイングやエールを浴びる場面もあった。

 指揮官は、「いろんなことが起こるべくして起こると思っている。神戸戦の出来事は歴史に刻まれ、僕らについて回る。あそこで優磨がサポーターの前に立って、サポーターも最後は後押しすると声をかけてくれて、次に向かおうと意思を示してくれた」と前回の大敗を受け止める。そして、そこで苦しんだからこそ、この日の大勝もある意味、起こるべくして起こっているという。
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 その理由のひとつに挙げたのは「最後の崩しのところは絵が揃ってきた」点だという。

 開幕から取り組んでいるビルドアップには、できてきた部分とそうでない部分が混在していて、「運び方はまだまだ」というものの、得点を奪うところから逆算した「最後の絵」は、選手間で共有できるようになってきた。

 さらに、G大阪戦では相手にボールを握られる展開が続いているなかでも、「前半途中から、上手く行けるようになった」と、プレスを仕掛けるタイミングなどの微調整にも言及。試合中の選手の対応力を称賛した。

 前節の新潟戦は2−0。白星が2つ並び、徐々に「このチームがどのような形になっていくか」という勝ち方を掴み始めていると自信をのぞかせた。

 10節を終えて4勝1分5敗の9位。まだ理想とは程遠いかもしれないが、「開幕と言うと変ですが、ようやく自分たちのスタートラインを切れた」と指揮官は今後の挽回を見据えた。

 鹿島は次節、5月3日に敵地で札幌と対戦する。確立され始めたスタイルで、連勝を伸ばしていけるか。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

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