DAZN配信の『Jリーグジャッジリプレイ』で、J1第14節・鹿島対FC東京における25分のPK判定が取り上げられた。

 鹿島の1点リードで迎えた当該シーンを、司会の桑原学アナウンサーが説明する。

「FC東京の攻撃シーンです。徳元が安部に渡して、ここからクロス。すると、ディエゴ・オリヴェイラが倒れてホイッスル。主審は関川のファウルを取ってFC東京にPKを与えます。リプレイで見ると、関川がディエゴ・オリヴェイラを押したようにも見えますが、倒れたタイミングはその行為とはズレていて、不自然にも感じます。結局、VARチェックが行なわれたうえで、判定は変わらず。関川のファウルでFC東京のPKとなりました」
【動画】D・オリヴェイラのPK奪取シーン
 このジャッジについて、ゲスト出演した鄭大世氏と大久保嘉人氏が意見を求められると、それぞれ以下のように話した。

「僕の意見では明らかにノーファウルですよ。フォワードの心情からすれば、あれは明らかに自分の頭を越えて、『あ、無理だな、いや〜ちょっと厳しいな』と思ったけど、押してくれてありがとう、倒れてファウルどう? みたいな感じなので。これは絶対に流すべきだし、こんなことはいくらでもある。僕はこういう状況で、倒れたらフォワードは負けだと思うってやっていたし。かっこ悪いと思うので、僕は」(鄭氏)

「最初、見てる時は、『なんで倒れたの?』って思ったんですけど、でもこれ明らかに関川選手、遅れてるんですよ。遅れて、あ、ヤバイと思って、身体を入れられたんで、手が出てしまった。躓いているんですよね、関川選手。ディエゴ選手の足にたぶん当たって、躓いて、遅れているんですよ。それで手を出しちゃっているんで、俺はファウルかなって思いましたね。でも倒れたくはない、フォワードからしたら。よく審判は見ていたなと思いましたけど」(大久保氏)
 
 異なる視点で考えを述べた2人だが、D・オリヴェイラが「上手かった」という点では一致。では、家本政明元国際審判員の見解はどうか。

「手がコンタクトしていることと動くこと、これはまあ、客観的な事実じゃないですか。でも競技規則には、それだけで反則とはうたわれていないんですよね。そこに、不用意に、無謀に、過剰な、主審の主観的な判断が加わるかどうか。

 個人的には、僕がもしレフェリーだったら、続けさせる。ノーファウル。たぶん、話しはしますよ、絶対に。(関川が押す行為は)気をつけたほうがいいよ、可能性は十分にあるからね、というところと、ディエゴ選手にも、分かるけど、さすがに大きなアピールは反則として取る。両方とも反則とするのは、ちょっと厳しいかなと思うので、その場合は、ケンカ両成敗じゃないですけど、スキップするっていう考え方もある。

 これも主観的な判断ですけど、どれぐらい、この程度で反則として笛が吹かれているのっていうと、僕は印象としては、やっぱりあまり、これで笛が鳴る印象は持っていない」

 三者三様の観点で議論されたPKの判定。D・オリヴェイラは自ら得たビッグチャンスを確実に仕留めてFC東京が同点に。試合は1−1のドローで決着している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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