[J1第11節]浦和2−1広島/5月31日/埼玉スタジアム2002

 サンフレッチェ広島は5月31日に、敵地で浦和レッズと対戦。森島司が先制点を決めたが、酒井宏樹と伊藤敦樹に得点を許し、1−2で逆転負けを喫した。悔しい結果になった一戦で、先制弾を演出したのが、6月シリーズで日本代表に初招集されたMF川村拓夢だった。

 広島の下部組織出身の川村は、2018年にトップチームに昇格。その後、愛媛FCへの期限付き移籍を経て、22年に復帰。昨季は16試合で3得点、今季はここまでの全15試合に出場している。

 チームの主軸になっている24歳は、浦和戦ではシャドーでスタメン出場。50分には、野津田岳人の縦パスをフリックしたドウグラス・ヴィエイラからボールを受けると、ドリブルでゴール前に侵入。右足で放ったシュートは相手GK西川周作に弾かれたが、こぼれ球に反応した森島が押し込んだ。

 推進力あるプレーが光ったシーンだったが、川村は周囲に感謝する。
 
「野津田選手は(ボールを)前に当てるのは分かっていたので。そこで、相手よりも早くポジションを取る。そのなかで、ドウグラス選手が上手く落としてくれたので、シュートまで持ち込めた」

 一方で、65分以降にボランチに入ってからマッチアップの機会が増えた浦和の伊藤には「力負けだった」と悔しがった。酒井の同点弾をアシストして決勝ゴールも決めた伊藤に対し、「僕がやりたいプレーを伊藤選手にやられたなという感じ」として、自身も積極的に仕掛けたが「回数は僕よりも多かった」と振り返った。

 チームは、5月のヴィッセル神戸戦(0−2)、名古屋グランパス戦(1−2)に続いて、上位にいるチームとの対戦で敗れた。4位だった広島は6位に転落し、逆に6位だった浦和が4位に浮上した。

 川村は「上位に勝てないと、上には行けないと思う。でも、後期にもう一試合あるので、そこでは絶対に勝ちたい」と意気込み、「90分を通して、自分たちのサッカーができれば結果はついてくる」と前を向いた。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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