福岡との公式戦3連戦の第2ラウンドが、2023年9月6日のルヴァンカップ準々決勝第1戦だった。第1ラウンド(9月3日のリーグ戦)は、4-3-3システムの3トップの裏にできたスペースを福岡に突かれる形で2失点。後半に盛り返すも、FC東京はホームで1-2と敗れた。

 この短期間に同じ相手に連敗などできない。福岡との第2ラウンド、3日前とは違って3-5-2システムで臨んだFC東京は立ち上がりから気迫溢れるプレーを見せた。最後まで諦めず、GKのミスを誘ってスライディングで押し込んだアダイウトンの先制弾は、それこそ気迫が生んだ一撃だった。

 前半のFC東京は3-4-2-1で戦う福岡とシステムが似ていたこともあって、マンツーマンに近い形でタイトな守備を実践。なかでも、小泉と白井の両ウイングバックが対面した湯澤と亀川にほとんど仕事をさせなかったのが印象的だった。

 後半に入ってもFC東京のディフェンスはあまり乱れず。センターラインではインサイドハーフの塚川がパワフルかつアグレッシブなプレーで存在感を示すなど、サイドに限らず中央部の守備網も強固だった。

 福岡にボールを持たれる時間帯はあったが、自陣エリア内に侵入されても、森重、H・トレヴィザン、長友の3バックが身を挺してブロック。簡単にシュートを打たせなかった。追加点こそ奪えなかったものの、アダイウトンの先制弾が決勝点となり、FC東京が1−0と勝利。3日前のリベンジを果たす格好となった。ちなみに、FC東京が福岡を下したのは2016年9月4日のルヴァンカップ準々決勝第2戦以来、実に7年ぶりのことだった。
 
 前回と今回、FC東京は何を改善したのか。そうストレートに訊くと、東慶悟は次のように答えた。

「まず(4バックから)3バックに変えた。そうなると、ある程度守備ははっきりして、人が付きやすくなるので、そこがひとつの変更点ですね。先手を取れて、前回と違ってこっちが相手の良さを消した感覚もあります」

 ただ、戦いは続く。9月10日にはルヴァンカップ準々決勝の第2戦がある。東も気合いを入れ直す。

「前回と今日で、お互いに手を出した感じですかね。次が本当の勝負。(リーグ戦でも)なかなか勝てなかった福岡に勝てたのは大きな自信になるし、(ルヴァンカップの準々決勝は)1試合終わっただけなので、このチャンスは何が何でも逃したくないです」

 次はアウェーゲーム。

「今度の試合は休日でアウェーの雰囲気を存分に作ってくる。敵地では(福岡に)毎回やられてしまうイメージがあるので、改めてみんなで話したいです。3日前はこっちが上手くいかなくて、手を打った。次は向こうが手を打ってくる。戦術のやり合いだったり、気持ちの勝負だったり、チーム力が試される試合になると思います」(東)

 まさに総合力が求められるゲームになりそうだ。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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