近年、日本人選手の海外移籍が増え、その選択肢も拡大。欧州5大リーグと呼ばれる、プレミアリーグ、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、セリエA、リーグ・アン以外の欧州リーグや、アジアの国々へ渡る選手も決して少なくない。

 現在は『ABEMA』のプレミアリーグ中継で解説を務めるハーフナー・マイク氏もかつて、フィンランドとタイでプレーし、新たな風を吹かせた1人だ。今回は日本人にあまり馴染みがない、“未知”のリーグを掘り下げる。

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――マイクさんはフィンランドの強豪、HJKヘルシンキでも半年間プレーしましたね。フィンランドで何か驚いたことはありますか?

「驚いたのはまず、冬に日が全然差さないっていう。24時間ずっと暗いので、練習も試合もドーム型で。外も寒いし…。あんまりサッカーのイメージは…。確か、こんなに長いヨーロッパサッカー歴史の中で、ワールドカップとEUROに出たことがないのかな? EUROは前回大会で初めて出たのか。リトマネンとかの時代も行けてなかったんですね。

 やっぱり、ホッケーが凄い人気な国で、あとほとんどのピッチが人工芝なんですよね」

――今年の夏には、バスケットボールの日本代表がワールドカップで、欧州の難敵と言われるフィンランド相手に大逆転勝利を収め、話題となりました。比較的バスケも盛んなのでしょうか?

「日本で言ったら野球みたいな感じで、まず、絶対ホッケーが上にあって、その下にサッカーやバスケがある感じです。今、日本だったらちょっと、サッカーが野球に追いついてきているとは思うんですけど」

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――かつて一緒に戦った、同じ1987年生まれの田中亜土夢選手は、今もヘルシンキでプレーしていますね。連絡を取ったりはしますか?

「あまり取っていないですね。元チームメイトで、ヘルシンキで一緒にやってますけど。多分、ヘルシンキが気に入ったから、また行ったんですかね。1回セレッソ大阪に移籍してまた行ったので、肌に合うんじゃないですかね」

――バンコク・ユナイテッドでも1年プレーしたなかで、タイの印象はどうですか?

「レベルが本当に上がってきていると思います。Jリーグ初期みたいな感じですかね。一応、代表は凄いサッカー人気があるんですけど、チームによってはまだそんなに(観客席が)埋まらないところもあれば、埋まるチームもありますね。

 でもやっぱり、選手たちのレベルは思ったより全然高いです。何人かはJリーグで活躍してもいいかなと。アジア枠で取っていいんじゃないかって思うレベルの選手たちは結構いますし。

 実際、Jリーグでチャナティップや、ティーラトン、今だったらスパチョークとか、しっかり活躍してるんでね。今後多分、日本はアジア枠で結構タイ人の選手を取るんじゃないかと自分は勝手に思っています」

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――今後、アジア・チャンピオンズリーグで、タイのクラブがライバルと言いますか、立ちはだかる存在になってくるでしょうか?

「まだもうちょっと時間はかかると思います。その間に日本のレベルもどんどん上がっていくので。追いつくまではいかないと思いますが、正直侮れない国だと思います。

 昔だったら、ACLでタイのチームが入ったらラッキーみたいな感じで、大体6−0、7−0で勝っていたのが、最近は結構、接戦の試合が多いので、本当、アジアの中でも侮れない国にどんどん成長していると思います」

※第5回終了(全8回)

取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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