[J1第32節]湘南 2−1 名古屋/11月11日/レモンガススタジアム平塚

 湘南ベルマーレは11月11日、J1第32節で名古屋グランパスとホームで対戦し、2−1で勝利した。

 15分に先制点を挙げた大橋祐紀は、23分にもネットを揺らす。チームは63分に失点も、それ以上の得点は許さず。最後までリードを守り抜き、勝点3を掴み取った。

▼湘南のチーム採点「6.5」
 山口智監督が「やるべきことを“より”明確にした」と語る通り、選手から迷いが消えた印象だ。

 すべての局面でハイプレスをかけるのではなく、引くべきタイミングはブロックを組み、自陣で守備対応。ボールを奪えば最速で縦を目ざし、難しいなら中央の田中聡を経由して落ち着かせる。よりシンプルになった戦い方のなかで、前半に狙い通り2ゴールを奪った。

 特に輝きを放ったのが、MOMに選出した阿部浩之だ。スタートの立ち位置は2トップの一角だが、相手を見ながらポジションを変え、中盤でゲームメイク。得点を生んだクロスとスルーパスはもちろん、相手をかわすテクニックもさすがだった。

 また、阿部が空けた最前線のスペースにサイドボランチの鈴木章斗が飛び込むなど、チーム全体で背番号7の意図を理解し、活かす形が見られたのも好印象だ。

 後半もピンチを凌ぎつつカウンターを発動したが、いくつか訪れた決定機を決めきれず、守備に回る時間が増加。左ストッパーの大野和成と左ウイングバックの杉岡大暉の距離が空きすぎた隙を突かれて失点を許したが、キム・ミンテを中心とした最終ラインが見事に立て直し、1点差での逃げ切りに成功した。

 我慢したい時間帯に勝ち越しを許さず、耐えられるようになった点が、不調だったシーズン中盤戦との違いと言えるだろう。
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▼湘南の出場16選手&監督の採点・寸評
GK:ソン・ボムグン|採点7/疲労骨折が完治し、8月19日のG大阪戦以来、約3か月ぶりに出場。21分に相手FWとの1対1を防げば、26分と43分にもミドルシュートを片手でストップ。さすがの反応でチームを救った。

DF:大岩一貴|採点6.5/最終ラインで相手のロングボールを跳ね返しつつ、機を見てオーバーラップ。浮き球を胸でGKに返すなど、落ち着き払ったプレーが印象的だ。

DF:キム・ミンテ|採点6.5/左右のストッパーを巧みにコントロールしつつ、相手のエース、キャスパー・ユンカーを封じた。最後尾からの楔のパスや、インターセプトからの持ち上がりなど、攻撃面での活躍も光った。

DF:大野和成|採点6/63分の失点シーンは背後を取られたが、多くの時間で地上戦、空中戦ともに安定感を発揮。逆サイドからのクロスに対するポジショニングも的確だった。

【動画】大橋祐紀、圧巻2発!
MF:岡本拓也|採点6.5/マッチアップする名古屋の森下龍矢にも引けを取らないスピードで、粘り強く対応。被カウンター時には素早く帰陣し、CBが空けたスペースをカバーした。

MF:鈴木章斗(71分OUT)|採点6/本職のFWではなく、サイドボランチで出場。やや繊細さに欠ける場面もあったが、阿部とのポジションチェンジや積極的なミドルシュートで攻撃に厚みをもたらした。

MF:田中聡|採点6.5/出足の鋭い守備だけでなく、キープ力を活かしたゲームメイクでも相手を苦しめた。チーム戦術が整理されたなかで、田中らしい守備の読みや味方への素早いサポートといった特長が出しやすくなった印象だ。

MF:平岡大陽(79分OUT)|採点6.5/絶妙なタイミングで背後を取り、15分の大橋のゴールをアシスト。左ウイングバックの杉岡と連係した守備も得難かった。

MF:杉岡大暉|採点6/狭いスペースでも余裕を持ってボールを捌き、ビルドアップの潤滑油に。対峙する相手のウイングバックやシャドーに高い強度で身体をぶつけ、ピンチの芽を摘んだ。

MAN OF THE MATCH
FW:阿部浩之(71分OUT)|採点7/ピンポイントのクロスが15分の先制点を演出した直後、23分の追加点の起点にも。2トップの位置から下がって、自由に立ち位置を取るプレーは効果的で、相手に寄せられた場面でもダブルタッチでかわすなど攻撃で魅せれば、相手ボランチへのパスコースを切る守備も光った。

FW:大橋祐紀(90+1分OUT)|採点7/15分、点取り屋らしいポジショニングで先制ゴールを奪い、4試合連続得点を達成。23分には相手GKとの1対1を制し、追加点もマークした。
 
途中出場
MF:奥野耕平(71分IN)|採点6/82分の決定機は惜しくも相手DFに阻まれたが、タイミング良く攻撃に絡んだ。終盤には田中とダブルボランチを形成し、中盤に安定感をもたらした。

MF:福田翔生(71分IN)|採点5.5/ピッチを縦横無尽に駆け回り攻撃に絡んだが、球離れの遅さからチャンスにつなげられない場面が散見した。一方、守備では最前線で身体を張り続け、逃げ切っての勝利を収めたチームに寄与した。

MF:鈴木淳之介(81分IN)|採点なし/押し込まれていた展開での投入だったため、持ち前の攻撃センスを見せるシーンは訪れなかったが、守備に奔走して勝点3獲得に貢献した。

DF:石原広教(90+1分IN)|採点なし/守備固めのため、5−4−1の右サイドハーフで出場。身体を張って試合を締めた。

監督:山口智|採点6.5/試合後「守備に回る時間が長かった」と反省も口にしたが、チームとして意思統一を行なえているからこそ掴めた勝点3だろう。自陣で耐え忍ぶ時も選手がネガティブにならず、虎視眈々とカウンターを狙えていたのは、日頃の練習の成果と言える。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

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