現地時間11月12日、AZは敵地でのフェイエノールト戦に0−1で敗れた。右サイドバックの菅原由勢はもどかしそうに「今は非常に難しい時期ですよ。5試合(1分4敗/2−3のビハインドで中断のNEC戦を含む)勝ててないし」と言った。

 フェイエノールト戦の菅原はヤンクバ・ミンテ(ガンビア代表)、アリレザ・ジャハンバフシュ(イラン代表)、ルカ・イバヌシェツ(クロアチア代表)といったサイドアタッカーの対応に追われ、自慢の攻撃参加は不発に終わった。

「(チームとして)攻撃のところがすごく行き詰まっている」

 後半立ち上がりに、ボランチの位置にポジションを取った菅原にCBから縦パスが入り、そこから菅原が左サイドに展開する好ビルドアップがあった。

「試合全体を通して『良い攻撃だった』と言えるのはあの1本あるかないか。あれしかなかったのなら、あの1本で仕留める質の高さ(が欲しい)。リーグ優勝するとか上に行くにはそういうしたたかさが必要になってくる。でもハッキリ言って攻撃は全然良くないです」
 
 秋の深まりとともに不振の色濃くなるAZ。フェイエノールト戦は1点差だったが、内容は完敗だった。

「さすがに5試合勝てなくて…。僕自身、試合に出ているから感じることは多々あります。しかし、結局自分自身に矢印を向けないといけないのは間違いない。僕は『もっとチームを動かせるような選手にならなきゃいけない』と感じています。自分がチームを変えられるような選手になれば、それで問題が解決します」

 フェイエノールトのCF上田綺世が66分にピッチへ入ると、菅原と何度かボールを競り合った。菅原より遥かに高く飛んで上田がヘディングしたシーンには、その跳躍力にスタジアムがどよめいた。

「もう入ってきた瞬間、『最悪だ』と思いました。だって彼強いし、“ザ・ストライカー”だから、やっぱり怖さがあったし。 僕はね、綺世くんの能力と、うちのセンターバックの能力をわかっているから、その能力差が心配になった。そして僕のところに来て、空中戦がありましたけど、『どこまで飛んでんの、この人』みたいな感じだった。

 僕はオランダに長くいるから、フェイエノールトがどういうクラブなのか、どういう歴史があるのかがわかる。『彼は本当にフェノールトに値する選手だな』というのを改めて思いました」

【PHOTO】ついに始まるW杯アジア2次予選、ミャンマー&シリア戦に挑む日本代表招集メンバー26人を一挙紹介!
 
 23歳の菅原は、日本代表では新進気鋭の右SB。しかし、AZでは175試合もの出場数を誇る経験豊富なチームリーダーだ。

「正直、代表とAZのサッカーは違うんでね。そこは僕自身、受け入れなきゃいけない。でも、代表で感じたことをクラブに持ち帰ることは、僕にはできると思う。何かね、このチームを変えたいというのが僕自身にある。やっぱりお世話になっているチームだから、しっかり恩を返したいと思います。チーム浮上のきっかけになるものを、代表チームで掴んできたい。僕らのチームはすごく若いじゃないですか。 今こうやって好位置(オランダリーグ4位)なのが、僕たちにしてはポジティブだと思う。『若いチームはこういう経験も必要』と思えるのは、自分もたくさん経験してきたら。だから、ここからですよ」

 AZの不調、それを覆したいという想いを語るとき、菅原の口調はしんみりしていた。しかし「ワールドカップ予選は初めてですよね?」という質問には突然元気が蘇り「イエス!!」と答えた。

「ワールドカップのアジア予選は難しいと言いますよね。僕はまだやってないけど、わかるし、映像でも見てきたし。実際、僕もU-17、U-19日本代表の時、アジア予選を経験しました。客観的に見たら差があるような相手と対戦するかもしれないですけど、やっぱりサッカーは常に0対0からスタートする。ワールドカップに行くために、もちろん内容はものすごく大事だと思いますけど、 とにかく勝つことが大事だと思う。環境だとか時差だとか、 相手のやり方だとか、想定外のことが起きると思いますけども、それもひっくるめてアジア予選なんでね。全てを楽しんで、パワーに変えるしかない。もう疲れたなんて言っていられない」
 
 フェイエノールト戦ではAZの選手が何度か上田に厳しいチャージを食らわせた。

「あれは俺が明日(上田に)謝ってきます」

 怪我の予防について、菅原は「(相手との接触を)避けたらあかんすよ。だって今日の試合もやりあってたじゃないですか。戦うって、そういうことなんですよ」と力を込めて言う。

『皆さん見ているかどうかわかりませんが、欧州の高いレベルでも、見えないところでやりあってるのは事実です。 今はVARがあるから減ったかもしんないですけど、やる選手はやるし、アジアだったらもっとやるだろうと思います。そこでひるんだらダメ。それ以上にガツンと行って、プレーで見せつけたらいいと思うし。相手のメンタルをへし折るぐらいのパフォーマンスを僕らがすればいいだけ。

 まあ、やられたらやり返しますけど、そういう気持ちを持って戦わなきゃいけないと思います。そこはもう1歩も負けずに、逆に自分たちがね、飲み込んでやるぐらいの意気込みを持ってやっていく必要があると思う」

 一拍置いてから菅原は力を込めた。

「侍魂、見せましょうや!」

取材・文●中田徹

【PHOTO】日本代表を応援する麗しき「美女サポーター」たちを一挙紹介!

新チャントお披露目は期待の表れ。観客を2度どめよかせた上田綺世には、何かドデカイことをしそうな雰囲気が漂う【現地発】

「どうやってレッドから逃れた?」「1週間に2度も...」遠藤航のタックル、“お咎めなし”に怒りの声を英紙報道!「マンUの選手なら間違いなく退場」