64年ぶりのアジアカップ制覇を目ざした韓国代表は、準決勝で格下のヨルダンに0−2でまさかの完敗。2大会ぶりのファイナル進出も果たせなかった。

 試合後、茫然と立ちすくんだキャプテンのソン・フンミンは、全6試合にフル出場。さすがに疲労の色が見え、この一戦では精彩を欠いた。

 6試合のうち、ラウンド16のサウジアラビア戦と準々決勝のオーストラリア戦では延長戦を含む120分間を戦った。公式記録での総出場時間は600分だが、今大会の異常に長かったアディショナルタイムを含めると、これが716分まで跳ね上がる。1試合平均にすると119.3分。全6試合、延長戦を戦ったのと同じ計算になる。

 オーストラリア戦の試合終了間際に交代した以外は出ずっぱりだった“至宝”イ・ガンインも、同じプレータイムだ。

 しかも、ソン・フンミンは主将を務めるトッテナムでも主軸であり、怪我以外ではほとんど休まない。シーズン途中で疲れも溜まっていただろう。それでも毎試合、全力を尽くす姿には頭が下がったが、気力だけで補えるものでもない。最後は、精根尽き果てたという様子だった。
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 ソン・フンミンとイ・ガンインをどこかで休ませられなかったのか。ユルゲン・クリンスマン監督の采配には疑問が残る。グループステージでも1勝2分けで苦戦が続いていたとはいえ、第3戦のマレーシア戦は温存できる状況だった。

 すでにグループステージ突破を決め、1位通過ならラウンド16で日本と当たるという状況で、ベストメンバーを送り出した。休息を与えるにはここがチャンスだった。

 韓国の大手紙『中央日報』などに寄稿している母国のホン・ジェミン記者は、「責任感が強いソン・フンミンは休みたがらない。ベンチスタートや途中交代には、相当の説得が必要」と話す。それでも、戴冠が目標なら、そうさせるのも指揮官の仕事だろう。

 せめて、イ・ガンインだけでもなんとかならなかったのか。この22歳はシーズン前に、優勝を果たしたアジア大会にも参戦しているのだ。

 同記者は「ソン・フンミンやイ・ガンインの代わりがいない。そこが日本とは違うんです。ベントメンバーとバックアッパーの差が大きすぎる」と説明する。

 敗れた準決勝では、守備の要であるキム・ミンジェの穴も埋まらなかった。アンタッチャブルなスターがいる反面、選手層の薄い韓国と、選手層は厚いが特別な存在がいない日本。どちらも、アジアを制することはできなかった。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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