2連勝でグループステージ(GS)突破を決めた大岩ジャパンが、次に目ざすのは、首位でノックアウトステージに向かうことだ。

 グループ1位を懸けた大一番の相手は宿敵・韓国。韓国も2連勝でGS突破を決めており、第3戦の結果が順位に直結する。現状で日本と韓国は勝点、得点、失点、得失点差で並んでおり、引き分けた場合はレギュレーションにより、PK戦で決着をつけることになる。

 もちろん、簡単に勝たせてくれる相手ではない。疲労を考慮してどんな布陣で臨んでくるかは不透明だが、ここまで計3ゴールの大型FWイ・ヨンジュンや左利きのプレーメーカーであるキム・ミンウなど、警戒すべき選手は多い。

 技、力、戦術、ベンチワーク。あらゆるものを総動員して戦うなかで、やはり最後は球際のバトルや負けたくないという想いの強さが勝負の分水嶺になる。もちろん、メンタル面だけが大事ではないが、勝利を掴むうえで欠かせない要素になるのは確かだ。

 求められるのは、ハートの強さ、国を背負う覚悟や責任。ひとりでも多くの選手が強い想いで、最後の最後まで戦い抜く必要があるだろう。

 そういう意味で、4月22日の日韓戦で期待したい選手がいる。チームの副キャプテンで、両サイドバックに対応可能なDF内野貴史(デュッセルドルフ)だ。
 
 世代別代表などに縁がなかった内野は、千葉U-18でプレーした後、高校卒業後に単身渡独。3年かかったが、デュッセルドルフ入りを勝ち取り、U-23チームから経験を積んでトップチームでプレーする選手となった。

 まさに叩き上げのプレーヤーで、苦労をしてきたからこそ、日本代表で戦う覚悟や責任を最も理解している。

 大岩ジャパン発足後初の海外遠征となった2022年3月のドバイカップ。内野にとっては初の代表活動で、当然ながら当時はまだフレッシュな心境だった。

「国歌斉唱になると、想像以上で。(初戦はベンチスタートだったので)ピッチでは聴いていないですけど、小さい頃からテレビで見ていた景色が目の前にある。その場に立って聞けていることは感慨深いものがあった」

 そこから2年間で大きく変わった。継続的に大岩ジャパンの活動に参加し、パリ五輪への想いや代表で戦う意味を胸に刻み込んでいく。2023年9月にバーレーンで行なわれたU-23アジアカップ予選では、スタッフ陣と選手の間に入ってまとめ役を担い、発するコメントも変わってきた。初戦の前にはこんな言葉を残している。

「練習試合じゃないですし、ここで負けたら日本代表として来ているのに恥をかいてしまう。人と人がやるスポーツなので、何が起こるか分からない。舐めてかかったり、ふわっと入れば、相手が自分たち以上の気合いで戦ってくれば、ポロって負けてしまうこともあるかもしれない。その負けは取り返しがつかない。そういうのは自分たちが意識してやるしかない。各自が感じていると思うけど、チームで共通認識を持って危機感を持ってやりたい」

【PHOTO】GS首位突破を懸けて韓国と対戦!前日トレーニングを行ったU-23日本代表!
 コアメンバーとして多くの活動に参加したことで、日本を代表して戦う責任や覚悟が、より強いものになっていったのだろう。

 今大会もその振る舞いは見て取れるし、仲間に対してポジティブな声をかけながらも、厳しい言葉を投げかける姿があった。全ては日本のため――。日韓戦の前日に聞いた言葉からも頼もしさを感じさせた。

「サッカーだけで言えば、選ばれなくてカタールに来れなかった選手もいる。そういう選手のために戦う想いはもちろんある。だけど、また違うものがある。自分も日本代表が負ければ悔しかったし、ましてや韓国に負けたら、全く自分がそこに関わっていないのに、ちょっと晴れない気分になったりもした。サッカーをやっているからとか、関心がないとか関係なく、日本全体を代表して戦わないといけないという意識はあります」
 
 あくまでもクールに。でも熱く。やはり、日韓戦は特別だ。

「サッカーは11対11で戦う。そこは変わらない。相手がどうなろうが、自分たちのサッカーをやって勝ちたいので、冷静に戦わないといけない。ジョエルが言ったようにそこは正しいと思う。でも、やっぱり(日韓戦は)世間の見方は変わってくると思う。なので、自分はちょっと気合が入りますよ」

 大岩ジャパンに選出された経験がある86人の想いだけではない。現地はもちろん、テレビの前で応援をしてくれている人への気持ちはあるし、もっと大きな話をすれば、サッカーファミリー関係なく、日本のために戦う必要がある。全力でボールを追いかけ、最後まで足を止めない。韓国戦でどんなプレーを見せるのか。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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