ミランとジャンルイジ・ドンナルンマの契約延長交渉決裂は、大きな議論を呼んでいる。そんな中、ミーノ・ライオラ代理人とミランのマルコ・ファッソーネCEOが、現地時間6月19日のイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューで互いの見解を示した。当然、主張は食い違っている。
 
 時間が必要と強調してきたライオラ代理人は、「なぜこれほど急ぎ、多大な重圧をかけた?」とミランを批判した。だが、ファッソーネCEOは4月14日の最初の会談から2か月の時間があったと主張。さらに、「契約満了を迎える選手(現行契約は2018年6月まで)がどうなるか把握できなければ、延長に至らなかった場合に備えておくことができない」と、チーム編成上で早めにはっきりさせるのが当然と訴えた。
 
 ミランの提示は18歳には破格の500万ユーロ(約6億円)という年俸だったが、ライオラ代理人は「金の問題ではない」とコメント。レアル・マドリーとの合意も否定した。しかし、ファッソーネCEOは選手と代理人が将来的な移籍を視野に入れたうえで下した決定と断じている。
 
「ドンナルンマはミランを望んでいたが、最後は代理人の方針が勝った。本人は今でも決定に納得していないと確信している。ライオラが決め、その影響力を使ったんだ。契約解除金を設定しての延長も、良い話し合いができていたんだがね」
 
 ドンナルンマ本人が「当初、ミラン残留を望んでいた」という点では、両者とも共通している。だが、ライオラ代理人はマッシミリアーノ・ミラベッリSDが「サインしないならスタンド観戦」と言ったと主張。さらに、サポーターの抗議バナーを放置するなどクラブのサポートがなかったと指摘し、家族が死の脅迫を受けたことなどもあって、選手はミランを去ることになったと述べた。
 
 これに対し、ファッソーネCEOは「干す」との脅迫はなかったと否定している。モンテカルロでの会談で「トーンがやや荒くなった」とは認めつつ、その会談で「非常に重要なオファーをし、彼らもポジティブな意味で驚いていた」とコメント。だからこそ契約延長を楽観していたと告白した。
 さらに、ファッソーネCEOは新シーズンも残留した場合は「難しいシーズン」になると認めつつ、「ブーイングされるのと脅しは別物」と主張。そのうえで、身の危険がある場合は「即座に動く」と対応を約束している。
 
 ライオラ代理人がミラベッリSDを批判し、ファッソーネCEOは「ミラベッリへの攻撃はミランへの攻撃」と述べるなど、緊張した関係を窺わせる両者。だが、今後の取引の可能性は排除していない。ライオラ代理人は「ミランと戦争しているわけではない」と述べ、ファッソーネCEOも「個人的な問題ではない」と話した。
 
 ただ、ドンナルンマに関してライオラ代理人は「呼ばれれば話を聞く義務がある」としつつ、「続けるための条件はない。ノーはノーのまま」と強硬姿勢を貫いている。一方、ファッソーネCEOは「ミランは今でもまだ両手を広げて彼を再び迎え入れる用意がある」と、再交渉への扉を開いた。
 
「再び話し合うためにまたテーブルに座ろうという提案の連絡を受け取ったら、我々は問題なくそれをする。我々の側には、再び話し合う用意があるよ。もちろん、ライオラは非常に明確だった。だが私は、両者が再び会って話す可能性を排除しない。もちろん、選手とも再びチームに合流したら話すよ。再接近の確率? それはミランでなく、ライオラが出すべきものだ」
 
 ファッソーネCEOが言うように両者が再び話し合い、契約延長という“大どんでん返し”に至ることはありえるのか。そしてドンナルンマを罵倒しているミラン・サポーターは、このウルトラCを望むだろうか……。