すでに現地入りし、精力的にトレーニングを続けている本田圭佑。契約期間は1年ながら、年俸はクラブ史上最高額の400万ドル(約4億5000万円)とも伝えられ、パチューカの期待の高さが窺える。
 
 地元メキシコの有力メディア『MEDIA30』は、「ホンダはパチューカの攻撃力増強のために迎えられた。なにせチームは先のクラウスーラ(2016―17シーズンの後期リーグ)で17試合・16得点、つまりは1試合平均で1点を切る体たらくに終わった。刷新のためのキーパーソンのひとりがホンダなのだ」と報じている。
 
 今オフにおけるパチューカの補強命題は「アタッカー陣の刷新」にあった。攻撃の要だったFWアービング・ロサーノをオランダのPSVに引き抜かれたのは痛いが、早々に3人の即戦力を獲得。チリ代表のFWエドソン・プッチをネカクサ(メキシコ1部)から750万ドル(約9億円)で買い上げると、同じくチリ代表の新鋭CFアンジェロ・サガロをウアチパト(チリ1部)から200万ドル(約2億4000万円)で釣り上げた。さらに、モンテレイ(メキシコ1部)からレンタルでコロンビア代表の実力派MFエドウィン・カルドナを確保。そして最後に、本田を手に入れたというわけだ。
 
 先述の『MEDIA30』は、本田とともに重要な役割を担うのがプッチだと断言。今夏のコンフェデレーションズ・カップでも活躍したニューカマーを、「現在のメキシコ・リーグでもっとも勢いがあるウイング」と評した。
 
 昨シーズンのパチューカは、両ワイドからの仕掛けを重視するウルグアイ人指揮官、ディエゴ・アロンソのもとで攻撃サッカーを標榜。だが国内リーグでは空回りが続き、前期が8位、後期が10位と低迷した。4−4−2や4−1−4−1を使うゲームもあったが、システムの軸は4−2−3−1で、今シーズンも踏襲される可能性が高い。
 
 となると、本田の主戦場はどこになるのか。両ウイングかトップ下のいずれかだろうが、この3つのポジション争いはなかなか熾烈だ。
 アロンソ監督の信頼が厚いのが、ナンバー10を背負うウルグアイ代表FWホナタン・ウレタビスカヤだ。昨シーズンはおおむね右サイドからのチャンスメークに徹していたが、攻撃的な位置ならどこでもこなす万能型。新戦力のプッチは左サイドでの起用が濃厚で、両翼で起用されるとすれば、本田はこのふたりとスタメンの座を争うことになるだろう。
 
 トップ下(あるいはインサイドハーフ)も層が厚い。新レギュラーとして期待がかかるカルドソが加わり、昨シーズンの1番手だったメキシコ代表のビクトル・グスマン、ホルヘ・エルナンデスら実力者が並ぶ。ただ、これまでの実績や総合値で見れば、本田が1番手だろう。先発奪取の現実味はウイングより濃いか。
 
 前線はチーム得点王で元アルゼンチン代表のフランコ・ハラが幅を利かせており、巨漢CFのブライアン・ロドリゲスと、新戦力のサガロが控えるリーグ屈指の陣容。2トップ採用時に本田をセカンドトップ気味に起用するなら、FW起用もイメージできる。
 
 国内の覇権奪還と北中米チャンピオンズ・リーグの連覇、そして年末に行なわれるクラブワールドカップでの躍進を期す強豪クラブだ。特大の注目を浴びている本田ながら、スタメン確保へのハードルは当然、相応に高いのだ。
 
 メキシコ1部リーグは7月21日に前期リーグが開幕。本田を擁するパチューカは23日の日曜日、プーマスと第1節を戦う。