夏の甲子園出場を目指し、全国の地方予選で熱戦が繰り広げられている。
 
 もっとも話題を集めているのは、もちろん早稲田実業の清宮幸太郎(18歳)だ。7月17日に行なわれた西東京大会・4回戦の芦花高校戦では、7回の満塁のチャンスに高校通算105本目となるホームランをレフトスタンドに叩き込んだ。最多本塁打記録まであと2本と迫り、注目はますばかりだ。
 
 では、清宮と同世代には、どんなフットボーラーがいるのか? 同じく1999年生まれのフットボーラーを一挙に紹介する。
 
 その筆頭がミランの守護神ジャンルイジ・ドンナルンマ。言わずと知れた同世代のトップランナーだ。16歳でトップデビューを果たすと、196センチのサイズを活かしたセービーングと10代とは思えない落ち着いた対応で、瞬く間に世界トップクラスのGKの仲間入りを果たした。
 
 今夏は、ミランとの契約延長を拒否して大騒動を巻き起こしたが、翻意して2021年までの契約更新にサイン。ミランはもちろん、イタリア代表でもジャンルイジ・ブッフォンの後継者として向こう10数年を担っていくと期待されている。
 
 GKにはもうひとり逸材がいる。トゥール―ズで正守護神を務めるアルバン・ラフォンだ。15年11月、ドンナルンマがセリエAデビューを飾った約1か月にリーグ・アンに初出場。GKとしてはリーグ史上最年少(16歳309日)のデビューだった。
 
 昨シーズンもそのパフォーマンスは際立っていた。昨年9月のパリ・ジェルマン戦で好セーブを連発して完封勝利(2-0)の立役者となると、その2週間後には爆発的な攻撃力を誇るモナコを1点に抑えて3-1の勝利に貢献。さらに、今年2月にも再びパリSGを完封(0-0)して称賛を浴びた。日本も出場したU-20ワールドカップにフランス代表として参戦し、2試合でゴールマウスを守っている。
 
 ラフォンとともにリーグ・アンで特大の輝きを放ったのが、ニースのU-21フランス代表DFマラン・サール。抜群のスピードとフィード能力を備えた、希少価値の高い左利きのCBだ。プロ1年目ながらレンヌとの開幕戦でスタメンに抜擢されると、いきなりプロ初ゴールを奪い、1-0の勝利の原動力に。以後、23試合連続で先発を果たし、ニースの大躍進を支えた。
 アヤックスのマタイス・デリフトは、サール以上に注目を浴びているCBと言えるだろう。9歳からアヤックス一筋の生え抜きにして、オランダの年代別代表に選ばれ続けてきた、いわばエリート中のエリート。対人戦の強さとビルドアップ能力の高さを買われてトップチーム入りを果たすと、昨シーズンの後半戦にはレギュラーに定着した。
 
 その活躍が評価され、今年の3月にはオランダ代表史上最年少となる17歳で初キャップを刻んでいる。マンチェスター・ユナイテッドとのヨーロッパリーグ(EL)決勝でも先発するなど、着実に階段を上っている印象だ。
 
 ちなみに、トップデビューを飾った昨年9月のKNVBカップ(ウィレム戦)では、CKからプロ初ゴールを奪い、クラブ史上2番目に若い得点者となった。最年少記録を持っているのは、かつてレアル・マドリーやミランで活躍したクラレンス・セードルフだ。
 
 同じくアヤックスでトップデビューを飾ったのが、ユスティン・クライファート。そう、アヤックスやバルセロナでエースとしてゴールを量産したあのパトリック・クライファートの次男だ。顔は父親によく似ているが、プレースタイルは全く異なる。188センチの本格派ストライカーだったパトリックに対し、ユスティンは170センチの小柄なウイングだ。共通するのは柔らかいボールテクニックで、この点はまさに父親譲りと言える。
 
 ストライカーでは、ドルトムントのアレクサンデル・イサクとインテルのアンドレア・ピナモンティが出世頭だ。母国スウェーデンで「イブラヒモビッチ2世」として大きな期待を受けるイサクは、すでにA代表デビューも飾っている。190センチの大型CFで、足下の技術が高いのが魅力だ。先日の浦和レッズとの試合では、エースのピエール・エメリク・オーバメヤンに代わって後半から出場している。
 
 インテルの下部組織が生んだ「傑作」と評されるイタリアU-19代表のピナモンティは、昨年12月のELスパルタ・プラハ戦でトップデビュー。持ち前のゴール嗅覚を活かして得点を量産する点取り屋で、そのプレースタイルは主砲マウロ・イカルディと酷似している。
 同じく名前を憶えておきたいのが、レバークーセンのMFカイ・ハフェルツだ。昨年10月にクラブ史上最年少(17歳126日)でデビューを果たすと、シーズン後半にはトップ下の定位置を確保。エジルを彷彿とさせる技巧派のレフティーで、局面を変えるラストパスは一級品だ。
 
 ほかにも、ベテラン揃いのWBAで異彩を放ったFWジョナサン・レコ、スピードに乗ったドリブルが魅力のティモシー・ティルマン(バイエルン・ユース)、「ネクスト・イニエスタ」の呼び声が高いリカルド・プイグ(バルセロナB)、その名の通りバルセロナのアンカーの後継者とされるオリベル・ブスケッツ(バルセロナB)、「次のカルダーラ」と評されるアレッサンドロ・バストーニ(アタランタ)など、1999年の生まれのフットボーラーには逸材が目白押しだ。
 
 この中からドンナルンマに続いてワールドクラスに化けるのは、果たしてだれか――。目が離せない。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部