マンチェスター・Uのスウェーデン代表DF、ヴィクトル・リンデロフが古巣クラブを倒産の危機から救ったと、イギリス紙『ザ・サン』や『ミラー』が報じた。


 マンチェスター・Uにとって今夏最初の補強となったリンデロフは、現在、スウェーデン3部に所属するヴェステルロ―スでキャリアをスタートさせた。
 
 めきめきと頭角を現わしたCBは、2011年にベンフィカへの移籍が決定。18歳になるのを待って、翌年夏にポルトガルの強豪に加入した。
 
 当時の移籍金はわずか30万ユーロ(約3900万円)で、それもU-21代表として3試合出場した場合と、ベンフィカのトップチームで10試合以上出場した場合の、2つのオプション料を含めての金額だったという。
 
 ただ、ヴェステルロース側は、契約の中に、今後、移籍する際に発生する移籍金のうち20パーセントを受け取る権利を得るという条項を含めていた。
 
 ベンフィカとリンデロフが契約延長を結ぶ際に、その条項は一度無効になりかけたというが、ヴェステルロ―スのクリスティーナ・リフナー会長は、ポルトガルに直接赴き、「交渉の末、機密条項として移籍金の10パーセントを受け取るという妥協点で決着させた」という。

 これが、後に財政状況が悪化し、立ち行かなくなるクラブにとって、とても大きな判断となった。
 
 今夏、推定3500万ユーロ(約45億円)という移籍金でマンチェスター・U加入が決まったリンデロフのおかげで、約350万ポンド(約4億5000万円)の臨時収入がヴェステルロ―スに入ることに。同クラブは倒産寸前に陥っていたが、この移籍金により問題は解決されそうだという。
 
 小規模クラブの場合、育てた選手を即、高く売るという気持ちが先行してしまいがちだが、選手の成長を信じ、このような条項を盛り込むことにより、後に大きな利益を狙うのというのも、ひとつの手法であり、夢があるのではないだろうか。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部