現地時間7月18日、イタリア・サッカー界を驚きのニュースが駆けめぐった。新シーズンからセリエAを戦うヴェローナに加入した元イタリア代表FWのアントニオ・カッサーノが、契約からわずか8日で退団を決意し、スパイクを脱ぐ決意を固めたという知らせだ。
 
 ローマ、レアル・マドリー、ミラン、インテルと数々のビッグクラブに所属したファンタジスタは昨シーズン、クラブ上層部と揉めてサンプドリアで戦力外となる。当初はジェノバでの復活を目指したが、今年1月に契約を解消。その後も世界中の様々なクラブからオファーを受けるも契約はせず、2016-17シーズンは公式戦出場がゼロだった。
 
 そのカッサーノが復活の地に選んだのが、1年でセリエA再昇格を決めたヴェローナだった。同クラブには一昨シーズンから、サンプドリア時代に好連携を築いた元イタリア代表FWのジャンパオロ・パッツィーニが在籍。また、アトレティコ・マドリーから同じく元アッズーリFWのアレッシオ・チェルチも加入し、メディアやサポーターは期待を高めていた。
 
 ところが、サインからわずか1週間、イタリア各メディアは18日、「カッサーノが退団と引退を決めた」と報道。ジェノバで暮らす家族と離れるのが耐えられないことが理由とし、同日中に選手が会見を開くことを伝えた。
 
 しかし、その会見で事態は思わぬ展開を見せる。ジュゼッペ・フスコSDと会見に臨んだカッサーノは、「引退はしない。ヴェローナに残る」と、現役続行を宣言したのだ。イタリアの『スカイ・スポーツ』が会見でのコメントを伝えている。
 
「家で1年半を過ごしていたから、家族なしでプレシーズンのトレーニングをして、少しホームシックのようになってしまった。今朝は弱くなる瞬間があった。でも、プレーを続けたい。この賭けに勝ちたい。いつもみたいに考えずに選んでしまい、またバカなことをしでかすところだった。少し離れたかったんだが、話し合って考え直した。そうさせてくれた家族とフスコSD、会長に感謝している」
 
 さらに、カッサーノは「侮辱されたとサポーターが感じたのなら、謝罪したい。でも、他のどのクラブに行くつもりなんかなかった」と、振り回された形のサポーターに謝罪。そのうえで、新シーズンでの復活に意気込んだ。
 
「今はスーパーなシーズンにしたいと思っている。いくつかのプレーで今回のことは全部忘れさせてみせるよ。体重を7キロ落とした。モチベーションに溢れているんだ。楽しませて見せる」
 
 また、フスコSDも「疲れを感じるのは人間として普通のこと。彼が現役続行を躊躇った理由は、1年ぶりに戻ってきて、練習や日々のルーティンが再び始まったことによるものだ」と、カッサーノを擁護した。
 
「衝動的な選択を勇敢に考え直した。朝に話し合い、彼は考えた末にこの挑戦を続けることを選んだんだ。私は彼がこの挑戦に勝つと確信している。ヴェローナは長い道のりに臨まなければならない。カッサーノがその一員であることを嬉しく思う」
 
 かつて「カッサナータ」という造語を誕生させたほど、デビューから常にお騒がせ行為を繰り返してきたカッサーノ。35歳になっても、彼が変わることはないようだ。ただ、若かりし頃と違い、今のカッサーノには愛する家族(妻と2人の息子)がいる。今回も、2010年に結婚した妻カロリーナ・マルチャリス(元水球選手)の言葉が小さくない影響を与えたようだ。
 
「カミさんに泣かされたよ。彼女はこう言ってくれたんだ。『私も子供たちも、あなたがプレーするのを見ないわけにはいかないのよ』ってな」
 
 これを受けてクラブは、ジェノバに住む家族がヴェローナ近郊で住めるべく動き出しているという。カッサーノにはこの高待遇に見合うパフォーマンスが期待される。

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