ユベントス移籍破談からわずか1日も経たないうちに、インテルへの移籍が内定するとは、渦中の当人も思いもよらなかったのではないだろうか。
 
 イタリアの『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙や『スカイ・スポーツ』など複数メディアは現地時間7月19日、インテルとサンプドリアがチェコ代表FWのパトリック・シックの移籍交渉で、合意に達したと報じた。
 
 セリエA挑戦1年目だった昨シーズンにシックは、公式戦の先発出場がわずか15試合だけだったにもかかわらず、13得点・5アシストをマーク。その圧倒的な決定力の高さでビッグクラブの注目を集めた。そして、国内外の強豪との争奪戦を制したのが、イタリアの絶対王者ユーベだった。
 
 母国の英雄パベル・ネドベドが副会長を務めるユーベ加入を決断したシックは、チェコ代表の一員としてU-21欧州選手権に出場していた6月22日、メディカルチェックを受けた。クラブもその様子を公式ウェブサイトで発表し、移籍の正式決定は時間の問題と見られた。
 
 だが、そのメディカルチェックで心臓の問題が発覚。シックは7月13日にローマで2度目のメディカルチェックに臨んだが、セリエAでプレーするために必要な適正評価を得られず、当面の休養を余儀なくされることになった。
 
 これを受けてユーベはリスクを回避すべく、買い取りオプションつきの有償レンタルに切り替えようと試みた。しかし、選手の意向も踏まえてユーベと3050万ユーロ(約44億2250万円)で手を打っていたサンプドリアは、この新たなオファーに応じず。両クラブは7月18日、正式に移籍破談を発表した。
 
 現在、地元のプラハで休養中というシックは、名門クラブへのステップアップが破談となり落胆に打ちひしがれたことだろう。だが、この事態を見て、電光石火の早業でシックを確保したのが、ユーベよりも前に同選手の獲得を目指していたインテルだ。
 
 ルチアーノ・スパレッティ新監督やピエロ・アウジリオSD、ワルテル・サバティーニTDら首脳陣が以前からシックを高く評価していたインテルは、ユーベとの破談を受けて、7月19日にサンプドリア首脳陣と会談。ユーベとほぼ同条件で合意に達したという。
 
 スカイ・スポーツによると、サンプドリアのマッシモ・フェレーロ会長はこの日、「シックは元気だよ。インテル? 彼らはもっと元気だね」とコメント。インテルとの交渉が順調だったことを明かした。
 
 イタリア・メディアは、シックの肉体的な問題がキャリアを脅かすほど深刻なものではないとも報じている。だが、問題個所は心臓であり、慎重を期す必要があるのは言うまでもない。適正検査を受けるまで、少なくとも1か月前後の休養を要すると言われている。
 
 いずれにしても、インテルはシックが再びプレーできるようになってから、チームに加える狙いだという。セリエAでブレイクを果たしたシックが次に袖を通すのは、ネラッズーロ(青と黒の意。インテルの愛称)のユニホームとなりそうだ。
 
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