[Jリーグワールドチャレンジ2017]鹿島 2-0 セビージャ/7月22日/カシマ
 
 62分に途中交代で出場すると、ほどなくして、セビージャの長身ボランチ、エヌゾンジに強烈なショルダーチャージを喰らわせる――鈴木優磨のこの試合に懸ける強い意気込みが感じられた。
 
 今季の開幕当初はいくつかの印象的なゴールを決め、本格的なブレイクを予感させたが、4月以降はトーンダウン。最近はベンチで過ごす時間のほうが長くなっていた。
 
 それだけに、この試合は自らの存在価値を証明するための重要な一戦だったのではないか。悲壮感にも似た想いがその胸の内を占めていたのではないか。そうアタリを付けて、結果的にはファウルを取られた冒頭の激しいプレーについて聞けば、「それはちょっと分からないけど……」と、にべもなくかわされた。
 
 鈴木のモチベーションは、まったく別のところにあった。
 
「正直な話、肌で感じてみて、どのくらいのレベルなのかを知りたかった。相手はシーズン前だし、コンディションはまだ整っていないかもしれないけど、どんな距離感なのか、どこから足が伸びてくるかとか、すごく楽しみだった」
 
 チームでも一、二を争うほどの欧州サッカーフリークで、欧州移籍にも興味を示す男は、ピュアな気持ちでピッチに立っていた。
 
「本当に今日は、少年のような気持ちで試合に入りました」
 
 余計な気負いはない。結果を出さなければというプレッシャーとも無縁だったのだろう。シンプルに、欧州のレベルを実感したかった。
 
「知っている選手が多いなかで、やっぱり巧いなと思った。前半、ベンチから見ていても凄いなって。俺が出た時には、もうバネガ選手がいなかったけど、違いを作れるし、戦いたかった。あと、ノリート選手がすごく好きなんですけど、やりたかったですね(注釈/7月16日に加入が発表されたが、この日はベンチ入りせず)」
 
 そう語る姿は、サッカー小僧そのものだった。
 
 もっとも、ただ試合を楽しんでいたわけではない。周知のとおり、鈴木はこの試合で2ゴールを決めて、勝利の立役者に。スタメンに返り咲くためのアピールにもなったのは間違いなく、本人にとっては実り多いゲームだったはずだ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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