[プレシーズンマッチ]仙台2(2PK4)2神戸/7月22日/ユアスタ

 今夏に鳴り物入りで加入したFWルーカス・ポドルスキが、遂にベールを脱いだ。

 7月6日の来日から間もなく、コンディションは万全ではない。それでも、実戦デビューの場となった仙台とのプレシーズンマッチでこの元ドイツ代表FWは、随所に持ち味を発揮する。

 試合開始早々、まずは挨拶代わりに左足で強烈な一撃を放つと、13分には渡邉千真へのパスがカットされたボールを拾い、2本目のシュートを見舞う。どちらも枠外ではあったが、“らしさ”は感じ取れた。

 もちろん、これだけではない。とりわけ印象的だったのがパスセンスの高さだ。中盤に下りて、正確なパスを駆使しながら攻撃の組み立てに関与する場面が頻繁に見られたが、球離れが良く、停滞感を起こすこともない。むしろ、良いリズムをもたらしていた。

 実際、前半のみ出場したポドルスキのパス成功率は、85パーセント(ダ・ゾーンより引用)を記録。1点リードして迎えた34分には、絶妙なスルーパスで、日本での初アシストも決めている。

 親善試合だった事実は差し引くべきだろうが、豪快な左足による得点力だけでなく、攻撃にアクセントを付けられるパスセンスにも期待が持てそうだ。ポドルスキのアシストを受けて得点した渡邉千真も「(ポドルスキが)前を向いた時ににパスが出てくる感覚があった」と好感触を示しており、今後、味方とのコンビネーションをさらに磨き上げれば、攻撃の幅がより膨らむ可能性も十分あるだろう。

 一方で、懸念もある。その最たるものは守備力だ。

 この試合を見る限り、守備をしない選手でないのは確かだが、ネルシーニョ監督が個々に求めるレベルに達するかが問題だ。たとえFWであろうと、スプリントを利かせ献身ぶりを示さなければ納得はしないだろう。

 守備を第一に考える戦術が根幹にある以上、ポドルスキにもそうした役目が求められるのは当然である。ある意味、独特の戦い方とも捉えらえるのだが、そうした戦術に対し本人が嫌気を示しても不思議ではない。

 一方で、ポドルスキに守備を求めすぎてしまえば、持ち味を消してしまうことにもなりかねないだけに、そのあたりの折り合いをどう付けるのか。指揮官の手綱捌きが問われるところだ。

 いずれにせよ、ネルシーニョ監督が「ポジショニングやボールを受けるタイミングはインターナショナルなプレーヤーならでは。視野も広くプレーの質が高いことを示してくれた」と賛辞を送っているように、上々のスタートを切ったことに変わりはない。

 J1デビュー戦となる予定の大宮戦(7月29日)では、果たしてどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。

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取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)