[J1リーグ19節]鹿島3-0甲府/7月29日/カシマ

「話す気分になれないです。自分自身、反省をする日なので…」
 
 試合後、報道陣に囲まれた昌子源は開口一番にこう言った。それもそのはず、甲府戦の昌子はどこか精彩を欠いていた。とりわけ稚拙だったのは77分のシーン。山本脩斗からのバックパスを受け、判断に迷って後ろを向いたところをドゥドゥにかっさらわれる。瞬く間にGKと1対1のピンチになったが、なんとか曽ケ端準のセーブで事なきを得た。
 
 軽率なプレーが目立った昌子の評価について、大岩剛監督は「ゲームの後に全員の前で(昌子へ)話をした。彼は現時点で鹿島唯一の日本代表。今日はキャプテンマークを巻いてることもあり、それなりの存在であってほしいと伝えた。あとは彼が今日の1試合をどうやって今後につなげられるかだと思うので、ぜひ彼に話を聞いてくれればと思います」
 
 この話を記者から聞かされた昌子は「マジすか?困ったなぁ…」と言いつつ、話を始めた。
 
「みんなの前でビシっと僕の名前を最初に言ってもらいました。自分はもちろん、みなさんも分かっている(ボールを奪われた)ドゥドゥのプレーがそう。CBというポジションはああいうひとつのミスで90分通して悪く見える。それは剛さんにもハッキリ言われた」
 
 昌子によれば、大岩監督はミーティングで「お前をキャプテンに選んだのはミツオ(小笠原満男)やソガ(曽ケ端準)の意見でもあった」と明かしたという。そのうえで、「お前たちが選んだキャプテンがこういうミスをした。それでいいのか?」と小笠原や曽ケ端に投げかけ、「いや、鹿島のキャプテンはこうじゃない。今日のお前はキャプテンにふさわしくなかった」と昌子にも激を飛ばしたそうだ。
 
「フワフワしていた」「交代させようと思った」とも厳しい言葉をかけられた昌子。「ホントにズッシリきた。途中で半泣きになりそうになった。そのくらい重たく、刺さった言葉だった」と心情を明かした。
 指揮官だけではない。昌子は鹿島の重鎮たちにも声を掛けられたそうだ。
 
 小笠原には「言われるだけありがたいと思え。こうやって言ってくれて次、変わっていく」と発破をかけられ、曽ケ端も「大丈夫。次で証明したらいい」。鈴木満強化部長からは、「ミツオもそうだった。お前もここからまた大きくなっていく」と背中を押された。 

 これらの金言に昌子は「ホントに助かった」。さらに「(安部)裕葵とか(鈴木)優磨の得点で後輩にも救われた」とも述べる。試合後にはチームメイトに「申し訳ない」と謝罪の気持ちを伝えたという。
 
 そして、話のなかでしきりに「言って頂いた」「ありがたい」と感謝の言葉を並べた昌子は、この経験を糧にする意欲も示した。
 
「次の仙台戦(8月5日)に向けての行動で、自分を証明するしかない。これで一歩成長できた。チームメイトに感謝してやっていきたい」
 
 次節の仙台戦、最後に「反省します」と言葉を残した昌子の成長した姿に期待をしたい。
 
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト)