[J1リーグ19節]神戸3-1大宮/7月29日/ノエスタ

 左足とヘディングで2得点と、衝撃的なJデビューを飾ったFWルーカス・ポドルスキ。別格の存在感を見せたこの大物助っ人の活躍に対し、チームメイトたちは試合後、惜しみない賛辞を送った。

「取ってほしいところで点を取るルーカス(ポドルスキ)には感心させられた。改めて凄い選手が来たんだと思いました」

 こう語るのは、左足のミドルで3点目を決めた田中英雄だ。試合の均衡を破った49分の先制点、さらに同点に追いつかれた直後に決めた62分の勝ち越しゴールとも、チームにとっては価値あるものになったのだから、その得点力に感服するほかない。

 一方、他の選手の声に耳を傾けてみると、ポドルスキの加入効果は得点力以外にも波及しているようだ。なかでも、左SBでフル出場した橋本和の言葉は興味深い。

「ポドルスキが左サイドでボールを持っている時、僕の動きを見てくれている。しっかり良い状態でボールを受けてくれればそこで上手くタメを作ってくれるので、僕は思い切って前に出ていけるんです」

 左サイドからの攻撃参加でチャンスに絡んでいた橋本は、こう言いながら充実した表情を浮かべていた。こうした状況が生まれたのも、ポドルスキの確かな技術と判断があってこそだろう。

 サイドアタックを仕掛けてチャンスを築くSBからすると、同サイドの2列目、あるいは前線の選手と上手く連係を構築できるかは重要なポイントとなる。

 言葉の壁が立ちはだかる助っ人と短期間でコンビネーションを確立するのは決して容易ではないが、7月22日のプレシーズンマッチ(対仙台)と大宮戦を見る限り、2トップの左に位置したポドルスキとの連係にはそこまで問題がないように感じられた。

 実際に大宮戦では、左サイドからの攻撃が34パーセントで、中央(32.8パーセント)と右サイド(33.2パーセント)よりもわずかに高い数値を記録。田中英の3点目も、左の高い位置でポドルスキがタメを作り、そこからパスを受けた橋本がクロスを供給した流れから生まれている。この事実からも、攻撃パターンのひとつとして定着しつつあるのが窺える。

 橋本はさらにこう続ける。

「後半始まる前に(ポドルスキと)しゃべっていた時、ストライカーではなく、パサー(の役割)もするって言っていた。それでどんどん飛び出してくれっていう話でしたね。キックも凄い正確ですし、前半にも良いボールが来た。攻撃面に関しては良い感じでフィットしてきているんじゃないですかね」

 7月上旬に来日してから約3週間ばかりで、日本やチームの環境に慣れるにはまだまだ時間が必要だろう。それでも、出来る限りの準備をして迎えたJデビュー戦で、期待どおりの結果を残した事実、そして「結果として勝利できたのが一番嬉しい」と言うように、チームの勝利を先決する姿勢からは、頼もしさを感じずにはいられない。

 自らの特長に加えて、味方の良さも生かす――。持ち前の明るいキャラクターですでにチーム内にも溶け込みつつある大物助っ人は、得点力以外にも、チームにプラスアルファをもたらしている。

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取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)