1点が遠く、重くのしかかった。

 大観衆が見守ったインターハイ2回戦、青森山田vs東福岡戦。真紅の軍団は1−3で東北の雄の後塵を拝し、初戦敗退に終わった昨年大会の雪辱は果たせなかった。
 
 東福岡のエース、福田湧矢はこう振り返る。
 
「前半の入りが良くなくて、前に行く力がなかったというか、青森山田という名前にビビっているところもありました」
 
 序盤から選手個々に硬さが見られる。青森山田のフォアチェックが厳しかったとはいえ、らしくないパスミスを繰り返した。なかなか好機を掴めないなか、前半27分には2本のパスから先制点を決められてしまう。前半はいいところなく、折り返した。
 
 それでも、ハーフタイムにはきっちり修正。そして後半開始3分、ビッグチャンスを掴む。FW石原利玖のパスに抜け出したFW守田怜司がGKと1対1の場面を迎えたが……。惜しくもショットはポストをかすめ、ゴールには至らない。主将の福田は「ハーフタイムにどんどんシュートを撃っていこうと話してて、志波先生(総監督)もそう言ってました。ちゃんと持ち直したんですが、決め切る力がなかった。山田とはそこに差が出たと思う」と、唇を噛み締めた。
 
 まさに試合の分岐点と言えるシーンだった。事実、その6分後に青森山田は流れるようなカウンターから2点目を奪っている。東福岡は後半27分にMF青木真生都のミドルが相手DFに当たってゴールインし、なんとか1点を返した。終盤はCB阿部海大を前線に配備して怒涛の反撃を試みたが、あと一歩ゴールに届かず。逆にアディショナルタイム、相手MF郷家友太に自陣でボールを奪われ、そのまま3点目を決められてしまった。
 
 森重潤也監督は、東西の強豪対決をこう回顧した。
 
「序盤から局面局面でやられてるところが気になって、その流れのなかで先に点を取られたのが大きかった。後半の立ち上がりにあったチャンスを決め切れず、1点差まで詰め寄ったけど、次の点が取れなかった。まだまだ力が足りなかったですね。選手権に向けて、一つひとつ小さなところから積み上げて、勝てるチームに仕上げたい。次に進んでいくしかないんでね」
 
 そして福田も「決定力に差はあったけど、内容は五分五分だった。うつむかずにチャレンジを続けたい」と前を向いた。

 このまま終わるタレント集団ではない。2冠王者との高次元のバトルを経て、“赤い彗星”はいかに立て直し、どんなバージョンアップを果たすのか。冬でのリベンジに期待だ。
 
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)