7月29日にシンガポールで行なわれたインターナショナルチャンピオンズカップのインテル対チェルシー戦で、まさに前代未聞の出来事が――。
 
 74分だった。2点のリードを奪っていたインテルが、自陣でビルドアップを始める。ボールを引き出すためにセンターサークル付近から左サイドにスルスルと移動したMFのジョフレー・コンドグビアに、CBのジェイソン・ムリージョが緩やかな縦パスを送ったその瞬間。背後から敵のプレッシャーを受けたコンドグビアは、左足のダイレクトでGKに向かって思いっ切り蹴り出した。
 
 綺麗な放物線を描いたバックパスが、今夏に入団したばかりのGKダニエレ・パデッリに向かって飛んでいく。状況次第でビルドアップに加わるつもりだったのか、パデッリはペナルティーマーク付近まで飛び出していた。必死に戻る、戻る、戻る……。

 最後は見送ることしかできなかったパデッリの頭上を越えて、ボールは綺麗にゴールネットに突き刺さった。距離にして、約40メートル。呆気にとられたパデッリの表情が印象的だった。
 
 穴が合ったら入りたい――。世紀のオウンゴールを決めたコンドグビアは、まさにそんな心境だっただろう。
 
 試合は結局、1点のリードをどうにか守り切ったインテルが2-1で勝利した。負けなかったのは不幸中の幸いながら、コンドグビアはしばらく肩身が狭いだろう。
 
 2017-18シーズンはまだ開幕前だが、早くも「オウンゴール・オブ・ザ・シーズン」との声も……。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部