[J1リーグ19節]川崎2-5磐田/7月29日/等々力/23,858人
 
 ホームのフロンターレは3連勝中、アウェーのジュビロは5連勝中と、好調をキープするチーム同士の対戦は、予想外のスコアで決着がついたね。
 
 守るジュビロ、攻めるフロンターレという、分かりやすいゲームだったとは思う。内容的にも、守備的に戦うチームがカウンターでゴールを奪い、ビハインドを背負ったほうが前掛かりになるその背後を突いてさらに加点という、サッカーではよくある光景だった。
 
 5-2と圧勝したジュビロは、これで6連勝を達成。名波監督はおそらく、本当はつなぐサッカーをやりたいんだろうけど、ポゼッションでは圧倒されていたよね。それでも割り切って守備的に戦い、それが上手くハマった形だ。重心を低くしてフロンターレの攻撃を受けつつ、川又とアダイウトンを軸に攻撃を仕掛けて、それが奏功した。
 
 なかでも、目を引いたのがアダイウトンだ。彼は一時期、ジョーカーとして起用されていたけど、スタメンのほうが効果的な仕事をするよね。先発に返り咲いてから、チームも成績を上げてきているのが、何よりの証拠だ。
 
 とにかく前に出て行くスピードが力強い。精力的にハイプレスもこなすし、決定力もある。個の力で局面を前に進められる一方、川又や俊輔とも良い連係を見せている。それだけに、後半戦のキーマンになるんじゃないかな。
 
 加えて、今のジュビロは守備がかなり整理されてきていると思う。フロンターレ戦は引き気味に戦っていたこともあるけど、最終ラインと中盤の間をコンパクトにして、相手のパス回しに狂いを生じさせる。チーム全員がサボることなくディフェンスに力を注いでいるのも、好感が持てるよね。
 辛抱強く守りながら、奪ったボールをシンプルに前に運ぶ。最前線の川又は身体を張って基準点となり、アダイウトンのスピードが攻撃を加速させて、俊輔が絶妙なアクセントを加える。このトライアングルが機能するなかで、非凡な推進力を備えるボランチの川辺が攻め上がり、カウンターに厚みをもたらす。
 
 もちろん、ジュビロには俊輔のセットプレーという最高の“飛び道具”もある。実際、フロンターレ戦でも、幸先良く先制した後、同点とされるけど、すぐさま俊輔のCKから2点目を奪い、相手を突き放した。セットプレーで点が取れるチームは、やっぱり手強いよ。
 
 チームとして“こうすれば勝てる”という確固たる自信がついてきているように感じるし、結果も出ているから、選手たちも良い状態で試合に臨めているはず。ジュビロのこの勢いはしばらく続きそうだね。