二転三転の末に、妻のSNSを通じて現役を引退すると表明したのは、わずか1週間前のことだった。だが、ここにきてアントニオ・カッサーノは、「スパイクを脱ぐとは言っていない」と主張している。ヴェローナとの契約を解消した元イタリア代表のファンタジスタは、9月まで新チームを探すと語ったのだ。
 
 昨シーズンはサンプドリアで首脳陣との対立から構想外となり、今年1月に契約を解消してフリーとなったカッサーノは、2017-18シーズンに向けてセリエAに昇格したヴェローナと契約した。
 
 サインからわずか8日後、カッサーノはホームシックから引退を仄めかす。だが、ヴェローナの首脳陣や妻の説得もあって翻意。会見で「考えもせずにバカなことをするところだった」と、現役続行への意欲を口にした。
 
 ところが7月24日、カッサーノは再びクラブに退団の決意を伝える。当初、カロリーナ夫人のSNSでは「ヴェローナで続けないだけで引退はしない」と発表されたが、その後に同じSNSで「考えた末に決めた。アントニオ・カッサーノはもうサッカーをしない。妻と子供たちのそばにいることを優先する」と、今後はユニホームを着ないという決意を明らかにした。
 
 だが、この“カッサーノ劇場”はまだ終わっていなかった。イタリア紙『スタンパ』のインタビューでカッサーノは、「(ヴェローナで)居心地が良くなく、ノスタルジーがひどくなった。でも、カミさんがどこへでも付いてきてくれると言ってくれたんだ。俺は辞めたくない」と、引退をまたもや撤回したのだ。イタリアの『スカイ・スポーツ』がコメントを伝えている。
 
「人生は選択の連続だ。仕事でもね。正しい選択をしたと思っても考え直すことはある。世界で何度もあったことだ。でも、サッカー選手だとそれが騒がれる。そしてカッサーノの場合は、クレイジーだとされてしまうんだ」
 
 ヴェローナ退団についてカッサーノは「フィーリング」が合わなかったとし、「引きずるよりも終えるほうが良いと思った」とコメント。そのうえで、「彼らと話したときに『引退する』とは決して言っていない」と強調した。
 
「それが真実だ。実際、契約解消のとき、他クラブと契約した場合の補償金を設定するように求められた。そしてそれを受け入れている」
 
 スカイ・スポーツによると、その補償金はセリエAのクラブと契約した場合に20万ユーロ(約2600万円)、セリエBのクラブの場合は5万ユーロ(約600万円)に設定されているという。イタリア・メディアは以前から、カッサーノ家が暮らすジェノバに近いジェノア、そしてセリエBのスペツィアとヴィルトゥス・エンテッラを新天地候補として報じている。
 
 これらのクラブがカッサーノ獲得を考えるのであれば、直接本人にコンタクトを取るしかない。カッサーノいわく、「代理人がいないから」だ。そして35歳のお騒がせ男は、期限も決めている。
 
「9月だ。それでも家に残っていることになれば、今度こそ本当にそのまま家にいるよ」
 
 どこまでも“自由すぎる”カッサーノ、はたしてその行く末やいかに?