[日本クラブユース選手権(U-18)・決勝]浦和ユース 0-2 FC東京U-18/8月2日(水)/味フィ西
 
 クラブ史上初の日本クラブユース選手権(U-18)連覇を果たし、主将の岡庭愁人は言った。「王者のメンタリティを持って、どんな状況も受け入れながら対応して、声を掛けて、その結果が優勝につながったのだと思う」。落ち着いた口調だった。
 
 だが、この偉業に辿り着くまで歩いた道のりは決して平坦ではなかった。長谷川光基、小林幹、品川愛斗、平川怜、原大智、久保建英……。自身を含めた主力がJ3のFC東京U-23の試合に出場するため、たびたびチームを離れた。
 
 高円宮杯U-18プレミアリーグでは、開幕戦で清水ユースに2-3と敗北している。岡庭は「今季からキャプテンをさせてもらっていますが、チームとしても自分としてもスタートは上手くいきませんでした。正直、不安な時期もありました」と心情を吐露している。
 
 それでも、逃げ出すわけにはいかない。重責に耐え、必死に知恵を振り絞り、自身や仲間を信じながら先導役を果たした。この試合でも後方から檄を飛ばし、時にはプレーで戦う姿勢を示した。
 
「決戦前日に前キャプテンだった蓮川壮大選手(現・明治大)から『明日頑張れよ』と連絡を受けました。その他にもいろんな先輩から激励があって、『連覇を成し遂げないといけない』という気持ちでした。プレーにもそれが乗り移ったかなと思います。
 
 少し不安になる時間帯があったのも事実です。ただ、こっちにチャンスが生まれれば、相手にも必ず同じように流れはくると考えていました。
 
 高瀬(和楠)選手や篠原(新汰)選手、長谷川選手を中心に声を掛け合って、ピンチの多い時間帯も踏ん張れた。うしろが頑張っていれば、前線の選手たちが絶対に応えてくれると信じていました。
 
 試合に出場した選手だけでなく、ベンチにいた選手、メンバーに入れなかった選手、準決勝の川崎U-18戦で怪我をしてしまった坂口(祥尉)選手、応援してくれるサポーター。全員が一体になって掴んだ勝利です。
 
 最後、試合終了を告げる笛が鳴った時に、小学校から苦楽をともにしてきた品田選手と抱き合って喜びました。常に傍にいて協力してくれた仲間ですし、涙がすごく出てしまいました。でも、嬉し涙を流せたわけですから」
 
 2年連続でチャンピオンチームとなったことで、今後は各チームからさらに厳しいマークを受けるに違いない。しかし、恐れはない。
 
「決勝戦で勝ったから『すべてが良かった』わけではありません。ここで浮かれることなく、『絶対にFC東京U-18を食ってやるんだ』と向かってくる相手を、王者のメンタリティを持って叩いていきたい」
 
 その姿、まさに威風堂々。苦難を乗り越えて、岡庭は“絶対強者”の貫禄を漂わせるようになった。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)