今大会屈指のタレント軍団は、ベスト4で急停止を余儀なくされた。
 
 8月2日のインターハイ準決勝、流経大柏vs前橋育英の一戦。群馬代表は前半20分に相手CB関川郁万が決めた一撃に沈み、0−1で屈した。

【インターハイ男子準決勝PHOTO】流経大柏が前橋育英を1−0で下し決勝へ!

 敗軍の将、山田耕介監督は「ペース的には向こうだったのかな。相手がマンマークで守備をしてきたなかで、斜めに動くなど変化が必要だったんだけど、上手くいかなかった。選手たちは戸惑っていたのかもしれない」と語った。
 
 千葉王者の堅牢をなかなかこじ開けられずにいたが、同点に追いつく最大のチャンスが後半19分に訪れる。FW高橋尚紀がエリア内で倒されてPKを獲得。高橋自身がキッカーを志願し、狙い澄まして撃ち込んだものの、相手GK薄井覇斗のファインセーブに阻まれた。
 
 山田監督はこのシーンを、少し残念そうに振り返った。
 
「キッカーは(キャプテンの田部井)涼なわけです。高橋は自分が倒されたから行ったんだろうけど、一番大事な場面ですよ。決めるか決めないかですべてが決まる。あの場面で『お前じゃないだろ』と言える3年生がいてほしかった。ひとが良いというかなんというか……。仲良し集団じゃないんだから。これだけは譲れない、ってものを見せてほしかった」
 
 今大会は“魔の山”に組み込まれ、それでも猛々しく勝ち進んだ。1回戦で三重を下すと、その後は優勝候補との連戦へ。2回戦で東福岡を、3回戦で青森山田を、そして準々決勝では京都橘を撃破する。選手たちが擦り切れていたのはたしかで、流経大柏の周到なゲームプランがあったとはいえ、これまでの躍動感や連動性はすっかり影を潜めた。
 
 修正点は少なくないと、指揮官は指摘する。
 
「今日を含めて4試合連続で先制点を奪われた。そうしたメンタルの部分や、相手がマンマークで来るとか、ポゼッションで来るとか、どんなスタイルであろうとしっかり対応できなければいけない。まだまだ課題は多いですよ。また冬に向けて、切り替えます」
 
 宮城インターハイを大いに沸かせたタイガー軍団。大会を彩った“華”はファイナルを前に、はかなくも散った。
 
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)