現地時間8月3日、パリ・サンジェルマンはバルセロナからブラジル代表FWのネイマールを獲得したことを発表した。
 
 ネイマールの動向が一気に動いたのは、現地時間3日の午後だった。

 スペインでは、契約解除金はクラブに直接支払うではなく、いったんプロリーグ機構(LFP)に納めることになっており、パリSGはバルサが設定した金額2億2200万ユーロ(約284億円)を支払おうとした。

 しかし、LFPは「ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)規定に違反している」と拒否。さらには「法的手段も辞さない」としたため、大詰めの段階で交渉は長引くかに思われた。

 ところが、同日中にネイマールが弁護士を介して、自分名義で契約解除金をバルサに支払い、同クラブもこれを受理したことで、パリSGとネイマールは移籍決定を公式に発表した。
 
 ネイマールが自分名義で支払った契約解除金は、実際のところはパリSGのオーナーグループであるカタール・スポーツ・インベストメンツ(QSI)が肩代わりしたという見方が強い。アメリカ・メディア『フォックス・スポーツ』は、パリSGが今後、問題視されるFFPを回避する可能性について伝えている。
 
 QSIはカタール政府の関係機関で、2022年カタール・ワールドカップの組織委員会もまとめているが、フォックス・スポールはその収益の一部がパリSGに流れていることを確認したという。さらにQSIがネイマールにワールドカップ大使の役割を与え、その報酬という名目でバルサへの契約解除金に充てる金額を支払った可能性があると報じている。
 
 そうした報道をQSIもパリSGも否定しているが、事実であれば、FFP回避の抜け道が見つかったことになる。
 
 ルールの網を掻い潜り、史上最高額での移籍が成立したことに対しては、元バルサ戦士で、現在は英国メディア『BBC』で解説者を務めているガリー・リネカーも異論を唱えている。

 その言動が常に注目を集める元イングランド代表は、自身のツイッターに、「UEFAのFFP規定は最近、どのようにして守られているんだい?」と疑問を投げかけた。
 
 1986-87から3シーズンに渡ってバルサでプレーしていた元イングランド代表FWは、ネイマールがバルサの練習場を訪れ、クラブに退団を申し入れたという報道が出た際にも、「ああ、ネイマールよ、バルサからの退団は“後退”でしかない」とつぶやいていた。
 
 実際、ネイマール獲得がFFPに抵触するかは、まだ分からない。バルサは契約解除金の受け取りを発表した際に「このケースから生じる可能性のある懲戒責任を明らかにできるよう、詳細を欧州サッカー連盟(UEFA)に報告する」と述べている。
 
 仰天の額での移籍をすんなりと許してしまったFFPに、もはや意味はあるのか? 今後、そうした議論が熱を帯びそうだ。

【2017年欧州夏のメルカート】新天地を求めた主な選手まとめ