浦和レッズの関根貴大が8月10日、ドイツ2部のインゴルシュタットに移籍するため日本を発った。11日にメディカルチェックを受けて、13日のドイツカップ(DFB杯)の1860ミュンヘン戦を視察し、その後の20日のレーゲンスブルク戦以降のリーグ戦でデビューを目指す。
 
 羽田空港には、サポーターやファン、家族、友人、関係者ら合わせて約100人が見送りに駆け付けた。前日の甲府戦(浦和が1-0で勝利)のあと帰宅した関根は、「(移籍が急に決まったことや、Jリーグの連戦が続いたため)なにも準備をしていなかったので、そこから荷造りをしたので、ほとんど寝ないまま車に乗りました。そしたら……」。
 
 3連休と盆前とあって、「高速に乗ったと同時に渋滞にハマって、焦りました(苦笑)」と、予定よりも遅れて到着。慌しくチェックインを済ませたあと、メディア対応をして、そして出発ロビーに向かった。
 
 この日のために作成した応援メッセージを掲げる人、関根の「24番」サインが入ったシャツやユニホームを着た人、遠目から見守る友人たち……。「行ってらっしゃい!」「頑張ってこいよ!」と大きな声が掛けられ、なかには涙を浮かべる女性ファンの姿も見られた。
 
「インゴルシュタットのチームカラーは赤。その浦和レッズと同じところに、縁を感じています」
 
 そんな心温まる熱い声援を背中に受けた関根は、笑顔を浮かべ、そして胸を張って旅立った。

 以前に関根はこんなことを語っていたことがある。
 
「平均値を押し上げるのは大事だけど、プラスなにか飛び抜けた仕事ができなければプロでは生きていけない。その飛び抜けた部分がひとつでもあれば、強い印象を残せると思っている。トップチームに昇格したあと、全体のレベルアップは確かにテーマだったけれど、意識しすぎかな? と自問自答していた。そういった葛藤を経験したうえで、これまでにない持ち味を見出していきたいです」
 
 今回の移籍の背景には、そういった自分自身の殻を打ち破ってみせる、という強い覚悟もあったはずだ。ハートを真っ赤に燃やし167センチの身体に全身全霊を込めて、勇猛果敢にドリブルを挑む。

 そんなどんな相手にも臆することのない姿勢を貫き、多くの観る者を魅了してきた。関根の『赤』の物語が、ドイツでの次なる章に突入する。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)