すでに約3分の2の日程を消化したJ2で、強烈なインパクトを残しているチームがある。
 
 それは“オリジナル10”としてJリーグ黎明期を支え、J1でのタイトル獲得経験もある名古屋と千葉だ。もっとも、両チームはここ数年、低迷を強いられてきた。2010年にストイコビッチ監督の下、悲願のリーグ優勝を果たした名古屋はその後、下降線を辿り、昨季はまさかのJ2降格を味わった。
 
 一方、千葉も“オシム親子”の下で2005、2006年にナビスコカップ(現ルヴァンカップ)を連覇して以降、鳴かず飛ばずで、ここ7年はJ2で燻り続ける。
 
 しかし、今季は名古屋が風間八宏監督、千葉がフアン・エスナイデル監督を招聘したことで、チームに大きな化学反応が起きている。
 
 両チームに共通して言えるのは指揮官の攻撃的な志向で、それは数字にも表われている。名古屋はリーグトップの50ゴール(1試合平均1.85ゴール)、千葉はリーグ2位の44ゴール(1試合平均1.63ゴール)と、高い得点力を示す。もっとも、攻撃に力を割く分、失点もかさんでいる。名古屋は41失点、千葉は38失点とリーグ下位の成績だ。そのため、勝点を落とすことも多く、J1への自動昇格となる1位の湘南、2位の福岡に徐々に差を開けられている。
 
 それでも、両チームの試合は取って取られてのハラハラドキドキする展開になりやすく、なによりゴールが決まりやすいから観ていて面白い。さらに名古屋は新加入のガブリエル・シャビエル、才能を開花させつつある青木亮太が今、ノリに乗っており、佐藤寿人も復調。千葉も序盤戦と比べ、攻撃の質を高めている。
 名古屋は26節の愛媛戦で、先に4ゴールを奪いながら、その後同点に追いつかれ、再び突き放して7-4というなかなか見られない乱打戦を演じた。また、今節の松本戦も5ゴールと攻撃陣が再び躍動したが、お約束とばかりに2点を献上している。
 
 千葉も週末の山口戦では89分に1-1の同点に追いつかれたが、後半アディショナルタイムに清武功暉が起死回生のゴールを決めて劇的な勝利を掴んだ。
 
 両チームの選手たちは、試合後、揃ってディフェンス面の課題を口にしたが、千葉のエスナイデル監督は山口戦後、「エキサイティングな試合だった。(こういう展開は)今まで何度もあった。サッカーが楽しいものだと証明できた」と、ニンマリ。
 
 一方の風間監督は松本戦後、「今日はキレイに点がとれました」と評価しつつ、「まだまだもったいないところで点がとれない場面もたくさんありました。だからそういうところも含めてもっともっと質を上げていかなければいけないです」と、崩しの質の向上を求める。
 
 J2では、堅守速攻のチームが昇格を果たす傾向にある。そのなかで両チームはどういった結末を迎えるのか。手堅い試合運びが求められるプレーオフに回る可能性も高いが、それはそれで、一発勝負の場で彼らがどんなサッカーを見せてくれるのか非常に興味深い。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)