リバプールのオーナーは先日、ブラジル代表MFのフィリッペ・コウチーニョを放出しないと強調した。だが、バルセロナからラブコールを受ける選手は、移籍を志願したと言われている。これまで売却拒否を言い続けてきたユルゲン・クロップ監督は現地時間8月12日、「最終的にはクラブの決定に従う」と述べた。
 
 1億ユーロ(約128億円)と言われるバルサからのオファーを断り、11日の声明で「コウチーニョを売らない」と表明したリバプール。だがその直後、選手はトランスファー・リクエストを出したと報じられており、12日のプレミアリーグ開幕戦(対ワトフォード)にも出場しなかった。表向きは背中の怪我が理由とされているが、状況が状況だけに様々な憶測を呼んでいる。
 
 英紙『ガーディアン』によると、クロップ監督は試合後、「サッカークラブの監督として、私には上司となる人たちがいる」と、決定権はオーナーにあるとコメントしている。
 
「彼ら(首脳陣)が選手を売る、ないし売らないと決めれば、私は受け入れなければいけない。(トランスファー・リクエストについて)私には何も言えない。私は自分の元にいる選手たちと仕事をする」
 
 リバプールはコウチーニョが移籍を志願したことに失望しているとも言われるが、クロップ監督は「もしも選手に対して怒っているとしたら、まずは選手に直接言うよ」と述べるに留まった。
 
 一方で、現在はU-18の指揮官を務めるクラブのレジェンド、スティーブン・ジェラードは『BTスポーツ』で、「問題はバルセロナだ」とコウチーニョがプレッシャーをかけられているとの見解を示した。『ESPN』がコメントを伝えている。
 
「バルセロナはコウチーニョの代理人に、『今じゃなきゃ獲らない』と言っているだろうからね。南米出身の選手は常にバルセロナでプレーするのを夢としてきた。今じゃなければ二度とそれを叶えられないと思って、コウチーニョはパニックになっているんだよ」
 
 現役時代にコウチーニョとプレーしたジェラードは、「彼が悪い人間じゃないことを知っているし、(リバプールと)戦争したがっているわけじゃないのも知っている」と、同情を禁じえない部分もあると擁護している。
 そのうえで、ジェラードは「1月に5年の契約を結んだばかりだし、クラブは彼よりも上の存在だ。それにクラブが彼を今のレベルの選手にしたんだよ」と、リバプールへの恩義を重視し、少なくとも今シーズンは残留すべきと主張した。
 
「コウチーニョがインテルで苦しんでいたことを覚えているはずだ。我々はチャンスを与え、彼という選手を育て上げた。彼にできるのは、クラブにもう1年を与えることだ」
 
 リバプールはかつて、アーセナルに誘われたウルグアイ代表FWのルイス・スアレスを引き留めたことがある。スアレスは1年後にバルセロナに移籍した。だが、ジェラードはコウチーニョのケースとの違いを指摘している。
 
「コウチーニョは1月に5年契約を結び、チームの稼ぎ頭となった。そして自分が本当に幸せだと言っていた。なのにバルセロナからオファーがきた途端に移籍志願だ。ファンがフラストレーションを感じるのは理解できる」
 
 ジェラードは最終的にコウチーニョが残留すると予想した。レジェンドの言葉に、背番号10を纏う25歳は何を思うだろうか。