[J1リーグ26節]大宮 2-2 G大阪/9月17日(土)/熊谷陸
 
 7月29日に行なわれたJ1リーグ19節・神戸戦以来、約1か月半ぶり。この言葉が何を指すのか分かるのは相当な“大宮アルディージャフリーク”だろう。
 
 では、そこに「大前元紀」というワードを加えるとどうか。疑問が一気に氷解する人も多いはず。さらに「メンバー表」というヒントがあれば、ピン!ときたのではないか。
 
 今節、実に7試合ぶりに大前が先発出場を果たした。しかもフル出場である。前節の25節・鹿島戦では51分から途中出場、好パフォーマンスを披露しており、その結果を受けての起用と言える。
 
「久々のスタメンだったので、『勝利につながるプレーを』と意識していた。最初のポジションは左サイドハーフで、その後にトップ下で、しっかりとチャンスは作れていたと思う」
 
 チーム全体として前半こそ不甲斐ない出来ではあったが、後半はその言葉通りにゴールを目指すプレーを大前は選択していた。そして、73分には逆転となるオウンゴールをCKから誘発している。
 
「ストーンに入った選手は背が大きかったので、CKの度にその手前や奥を味方とコミュニケーションを取りながら蹴っていた。(得点の場面は)ああいうボールならばストーンが触って入る可能性もあるし、逆にあれを触れないのであれば中で味方が触ってくれる」
 
 そう話すと、「イメージ通り、狙い通りのキレイな形だったかな」と一定の満足感を表わした。ただ、あくまでも“一定の”だ。トドメとなる3点目を奪えなかったために、痛恨の引き分けとなってしまった。
 
「相手は途中から入ってきた選手も焦らないでゲームをコントロールする能力を持っていて、上手いし、ガンバが一枚上手だったのかな……。3-1にできるシーンもあって、『2-1で勝っているからオッケー』じゃなくて3点目を取りに行かなきゃいけなかった」
 
 アクシデントも多かったが、確かに大宮は受けに回る体勢となってしまっていた。攻撃の選手として、反省の言葉ばかりが出てくる。勝点3を得ていれば今後の残留争いも随分と異なる様相を呈していただけに、悔しさも普段より強いのだろう。
 
 きっと、同じシチュエーションがあれば、次こそはしっかりとチームを導いてくれるはず。ターニングポイントとなった「奪えたかもしれない3得点目」を叩き込み、サポーターを歓喜の渦に誘う大前の未来の姿に期待したい。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)