夏の大型補強で熱気に包まれていたミランだが、開幕から7試合で3敗と苦しんでいる。シルビオ・ベルルスコーニ前オーナーも、現首脳陣やチームの手腕に不満を抱いているようだ。


 ミランは首位ナポリに勝点9差をつけられ、最低目標とされているチャンピオンズ・リーグ出場圏内の4位(ラツィオ)からも4差の7位という不本意な序盤戦を送っている。クラブはヴィンチェンツォ・モンテッラ監督への信頼を強調するが、一方で進退を巡る不穏な噂も後を絶たない。
 
 目玉補強のレオナルド・ボヌッチが酷評されるなど、チーム編成に対する疑いの声も高まってきた。イタリア紙『コッリエレ・デッラ・セーラ』によると、ベルルスコーニ氏も「理解できない補強だった」と、マルコ・ファッソーネCEOら首脳陣の方針を批判している。
 
「11人も選手も入れるチームなんて見たことがない。あれだけの資金を全て投下すれば、トッププレーヤーをひとり獲得できたのではないだろうか?」
 
 ボヌッチが批判されているのは、ニューフェイスでありながらキャプテンマークを巻いていることも一因だろう。ベルルスコーニ氏は、これについても持論を述べた。
 
「長年、ユベントスのバンディエラ(旗頭)だった選手がキャプテンマークを巻いている。(リッカルド・)モントリーボがいるじゃないか。これまで通りキャプテンは、彼に任せるべきだった」
 
 怒りの矛先は経営陣のみならず、モンテッラ監督にも向けられている。そもそも、ベルルスコーニ氏は、同監督の就任を望んでいなかったと明かしている。
 
「私は(クリスティアン・)ブロッキをベンチに残したかった。だがその頃、私は(病気で)手術台に乗り、生死の狭間にあったんだ。そしてそこで、『(監督は)モンテッラになった』と聞かされた」
 
「モンテッラにはアドバイスをしたのだが、彼は『会長、分かりました。でもメンバーは自分が決めます』と答えていたよ」
 
 ベルルスコーニ氏は、トップ下を置く4-4-2(4-3-1-2)の信奉者である。それだけに、3トップや3バックを採用してきたモンテッラ監督の手腕やメンバーチョイスには納得していないようだ。
 
「スソに(ジャコモ・)ボナベントゥーラと、技術的に最も才能に恵まれた2人がよくベンチに座らされているのは、なぜなんだ? それに、いつもサイドからクロスを入れるだけじゃないか。ゴールを決めるには、彼らのクオリティーを活かすべきだ」
 
 オーナー時代にはしばしば現場に介入し、批判を浴びることが常態化していたベルルスコーニ氏。だが、約30年にわたってミランに数々の栄光と黄金期をもたらした人物であることも事実だ。生まれ変わったミランの首脳陣と指揮官は、かつてのオーナーの言葉をどう受け止めているだろうか。