去就が取り沙汰されていた今夏、パリ・サンジェルマンのマルコ・ヴェッラッティは、代理人をドナート・ディ・カンプリからミーノ・ライオラに変更した。その理由は、前者の度重なる問題発言であり、後者を選んだのは、かつての同僚のアドバイスだったという。
 
 7月下旬、ヴェッラッティは、ディ・カンプリが自身のバルセロナ移籍希望を強調し、パリSGを挑発するような言動を続けたのを受け、SNSで謝罪するとともに、同代理人とのマネジメント契約を終えた。
 
 それから約3か月。ヴェッラッティはフランス紙『レキップ』で、「難しい状況だった」と当時を振り返っている。イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が伝えた。
 
「毎朝、新聞を見ると、僕が言ってもいなかったことが記事になっていたり、僕が賛成していなかったことを彼が発言していたり……。何が起きているのか分からなかったよ。キツかった。ディ・カンプリは、僕にとって父のような存在だったからだ。いつか彼とは、普通の関係を取り戻したい」
 
 そんな彼が新たな代理人に指名したのは、数多くの大物選手を抱える敏腕エージェントだった。一昨シーズンまでパリSGでチームメイトだったズラタン・イブラヒモビッチの代理人であることから、ヴェッラッティはライオラを知っていた。
 
「彼には経験があるし、各クラブと良好な関係にある。それに、ズラタンからのアドバイスもあったんだ。サッカーのことも、それ以外のことでも、ズラタンの言うことを聞いた時の僕は、正しい選択ができている。ライオラには、もう僕のことが新聞に載らないようにしてくれ、とだけ言ったよ」
 
 ビッグネームをビッグクラブに移籍させて巨額の手数料を稼ぐことから、批判の声も少なくないライオラだが、ヴェッラッティは今夏、最終的にパリSGに残った。「初めて、ここで続けるべきか自問した」と認めつつ、アンテロ・エンリケ新SDと会った時に残留を決断したという。
 
「ネイマールや(キリアン・)エムバペが来るから残ったんじゃない。当時は、彼らがパリSGと契約するなんて知らなかったからね」
 
 そのネイマールやエムバペに加え、マルキーニョス、アドリアン・ラビオと、若いタレントが豊富なだけに、ヴェッラッティは「ここには素晴らしい未来がある」と、パリSGとの契約延長を示唆している。
 
「たぶん、契約を延長するだろう。みんな、僕が金のためにパリSGでプレーしていると思っているけど、別のクラブでも稼ぐことはできる。この夏、僕の獲得に1億ユーロ(約130億円)を用意したクラブに行っていれば、もっと多くの金を手にできただろう」
 
「ネイマールも、マンチェスター・シティやチェルシーに行けば、もっと稼げただろうけど、彼はプロジェクトでパリSGを選んだ。僕も同じさ!」
 
 こうして突入した今シーズン、パリSGはここまで、リーグ・アンでは最多得点と最少失点で無敗の首位、チャンピオンズ・リーグでも3連勝でグループ首位と、好調ぶりを見せている。

 まだ24歳と若いものの、パリに来て6年目を迎えたヴェッラッティは、リーグ5連覇やクラブ悲願の欧州制覇を果たせるだろうか。