先週末は1-1の引き分けに終わったガンバ対ベガルタを取材。この日、注目していたのはガンバの井手口で、日本代表でも主力になりつつある将来有望なボランチは、どんなプレーを見せてくれるのか楽しみにしていた。
 
 結論から言えば、期待外れのパフォーマンスだったかな……。楽しみにしていた分、僕のハードルが上がっていたのかもしれないけど、ひし形の中盤の左サイドを任されていた井手口は、ハリルジャパンで披露するような躍動感を発揮できていなかった。
 
 日本代表では、長谷部がいたり、山口がいたりと、周りに経験者がいて、いわば“使われる立場”として自由にプレーすることで、彼の良さが引き出されているのかもしれない。
 
 もちろんガンバには遠藤がいるけど、それでも代表と比べたら、井手口がより“引っ張っていく”選手にならなければいけないと思う。でも、まだそこまでの存在感を示せていない印象を受けた。
 
 献身的なカバーリングや粘り強いディフェンスなど、持ち味を表現できていないわけではない。それでも、遠慮しているわけではないのだろうけど、代表で見せるようなボリュームのある推進力やダイナミックがプレーは鳴りを潜めていた。厳しい言い方をすれば、「あれ、どこにいるの?」という感じだった。
 
 もっとも、井手口のやや低調な出来も、どこか上手く噛み合っていないチーム事情のせいかもしれない。パスを回すのか、長いボールを入れるのかの判断が悪く、ポゼッションしようとしても、選手同士の距離感が離れているから思うようにつながらない。
 
 2トップの長沢と赤?のプレーも今ひとつだった。足もとで受けようとしてばかりで、攻撃を活性化できていたとは言い難い。ダイアゴナルに流れたり、敵陣の深い位置を突くような動き出しでベガルタの最終ラインを押し下げられれば、中盤の選手も仕掛けやすかったと思う。
 
 こうしたガンバの現状では、井手口が輝けなかったのも分からないわけではない。だからこそ、井手口の力でチームを好転させてほしかったとも思う。こちらの勝手な要望かもしれないけど、その力は十分に備わっているはずだからね。

【日本代表PHOTO】ブラジル・ベルギー戦へ向けた招集メンバー25人
 井手口も、ガンバも、パッとしなかったベガルタ戦で唯一、希望を見いだせたのが、倉田だった。
 
 ボールを確実に収められるから、全体を落ち着かせることができるし、相手のギャップにスッと入り込んで、正確なワンタッチプレーで攻撃のテンポアップを図る。効果的なパス&ムーブで相手に脅威を与えていた。
 
 ゲームを作り、チャンスメイクもこなす。相手のバイタルエリア付近に積極的に顔を出して、フィニッシュにも絡む。その攻撃センスは抜群。ハイスペックなアタッカーだ。
 
 開幕前から気になる選手だったけど、僕の目に間違いはなかったね(笑)。井手口とともに、さらなる成長を期待しているよ。