[ルヴァン杯決勝]C大阪 2-0 川崎/11月4日/埼玉
 
 67パーセントのボール支配率と相手の倍の16本ものシュートを放つなど、クラブ史上4度目のリーグカップ決勝で、川崎フロンターレは攻めに攻めた。
 
 これまで川崎は、2000、2007、2009年と3度に渡ってこの大会で決勝へと駒を進めてきたが、いずれも無得点。その過去3大会以上の成熟度を見せてきた今シーズンのチームには、そうした負の歴史を払拭することが期待されたが、それは叶わなかった。
 
 なぜ、川崎は勝てなかったのか。試合後、「本当に悔しいですし、自分の力不足を感じています」と苦々しい表情を浮かべた鬼木達監督は、細部の質が欠陥していたことを挙げた。
 
「ゲームはしっかりコントロールしていたと思います。ただ、そのなかでもどこか少しずつパスのズレや、そういうものが最後まで改善されずに終わってしまった。質はこだわらなくてはいけなかったと思います。もしかしたら焦りもあったのかもしれない」
 
 80分過ぎに川崎は、珍しくパワープレーを選択するなど貪欲にゴールを目指したが、セレッソ大阪の堅牢を打ち破れなかった。自らの力量不足を口にした指揮官は、「もう少しだけ、我慢強く戦うことも出来たのかなって思いもある」とこぼした。
 
 もちろん開始1分での失点が試合の様相、そしてゲームプランに影響をもたらしたのは言うまでもない。鬼木監督も、「ウチが早めに失点したことで彼らの守備意識をより高めてしまったのかなって思います」と話す。
 
 そんな指揮官に同調したのは、不動の司令塔である中村憲剛だ。
 
 リーグカップ2度の準優勝(2007、2009)を味わい、今回も涙を呑んだ背番号14は、「最初に失点したのが今シーズンに関しては、ほぼ初めてだと思いますけど、それがこの決勝で来るというのがまた難しいというか……」と、3度目の正直を逃した悔しさを滲ませた。
 
 指揮官が指摘した焦りは、ピッチ内で起きていたのだろうか。攻勢を強めるなかで、少しのパスの乱れやシュートを決めきれない場面も目立った試合で、「ないとは言えないと思う」と、ベテランMFは敗因を交えつつ振り返る。
 
「とにかく相手は、自分たちがバイタルに入ったボールを潰しにきていたんでね。そこを突破できれば、ゴール前までは入れましたけど、もっと神経質にならなくちゃいけなかった。だから相手としたら狙いやすかったと思う」
 
プーマ フットボール公式アカウント
初タイトル獲得記念キャンペーンを開催
 川崎一筋、15年目を迎えた中村は、喉から手が出るほど欲していたタイトルにまたも手が届かなった。そんな現実に思わず本音が漏れる。
 
「どの試合も同じではない。過去の決勝戦もね。でも、どれだけ積んでいかなきゃいけないのかなってのは、正直ある」
 
 そんな中村に、記者から「足りなかったものは何か」というストレートな質問が飛ぶ。すると、やや強張った声で返答した。その言葉には、不甲斐なさや悔しさから来る怒りというよりも、迷いのようなものが感じられた。
 
「分かっていたら多分優勝してますし、負けて話すことはいろいろありますけど、それを『潰して行こう』と話していて今回は挽回できなかった。正直、自分でも分からないですし……。
 
 得点でサッカーは動くんで、先制点を与えないこととか、試合前はそういうのを無くそうと話しているけど、実際、出てしまう。出てしまった後に逆転できる力がないというところもあると思う」
 
 敗戦のショックを受けながらも声を絞り出した37歳のバンディエラは、「オニさん(鬼木監督)も話してましたけど、まだまだトレーニングをやるしかない。これで自分たちがやってきたことが無くなるわけじゃない」と、自らに言い聞かせるように前を向いた。
 
 川崎にはリーグタイトルの可能性が残されている。首位・鹿島アントラーズに勝点4差の2位につけている彼らは、はたして、何かを掴めるのか。今、クラブの真価が問われている。
 
取材・文:羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWEB編集部)

【ルヴァン杯決勝PHOTO】C大阪×川崎の美女サポーターたち?

【ルヴァンカップ決勝PHOTO】C大阪2-0川崎|C大阪が杉本、ソウザのゴールでルヴァン杯を制す!