レッドデビルズ(ベルギー代表の愛称)の偉大な英雄は、母国が日本代表と熾烈な戦いを繰り広げている裏で、ひっそりと自身の去就に関する決断を下していた。
 
 かつてベルギー代表を率いていたマルク・ヴィルモッツが、コートジボワール代表監督の職を辞任したことを自身のツイッターで明らかにしたのだ。
 
 その監督キャリアを始めたのは2012年だ。ジョルジュ・レーケンスの後任として、アシスタントコーチから昇格する形で母国ベルギーの代表監督に就任すると、当時FIFAランク54位だったチームを4年間で一気に1位へと引き上げた。
 
 しかし、EURO2016でベスト8敗退という憂き目に遭うと、同国サッカー協会から「当初の目標に到達できなかった」と解任通知を受け、2016年7月に2018年ロシア・ワールドカップ終了までとなっていた契約を全うすることなく職を追われた。
 
 そんなヴィルモッツに次の仕事が舞い込んだのは、今年3月。低迷していたコートジボワール代表監督に就任した。
 
 しかし、新天地ではその辣腕を発揮しきれなかった。ディディエ・ドログバなど黄金期を支えた選手たちが去ったチームの立て直しに苦心し、アフリカ予選で敗退。その責任を痛烈に感じて、辞任を決意したようだ。
 
 6試合でわずかに1勝しか挙げられなかったヴィルモッツは、自身のツイッターに次のように書き綴った。
 
「今日、私はコートジボワール・サッカー協会との話し合いの末、我々の協力関係に終止符を打つ。互いに納得したうえで決めたものだ。私はサポーター、選手、そしてスタッフと会長に感謝したい。そして、コートジボワールの将来のために幸運を祈ります」
 
 現役だった2002年の日韓ワールドカップでは、グループステージ2節の日本戦で華麗なオーバーヘッド弾を決めていたヴィルモッツは、日本のサッカーファンの記憶にもしっかり刻まれていることだろう。
 
 そんなレッドデビルズの英雄が、ベルギー対日本戦の真裏で自身のキャリアに関わる重要な決定を下していたのは単なる偶然だろうが、何か意図的なものがあるのかと勘ぐってしまうのは私だけだろうか。