約半年間に及ぶ、日本での生活は充実していたようだが、文化の違いへの戸惑いは隠しきれなかった。
 
 今年7月にJ1のヴィッセル神戸に鳴り物入りで加入した元ドイツ代表FWのルーカス・ポドルスキは、ドイツ紙『Koelner Stadt-Anzeiger』で、“日本”について語っている。
 
 W杯王者の肩書を手に来日したその存在は、今シーズンの日本サッカーを彩るトピックのひとつだった。デビュー戦となった7月29日の大宮アルディージャ戦(J1リーグ19節)で、鮮烈な2ゴールを叩き込んで、強烈なインパクトを残した。
 
 シーズン終盤に左内転筋肉離れに見舞われ、治療のために一時帰国を余儀なくされたこともあり、加入1年目は15試合・5得点に終わった。
 
 そんなレフティモンスターは、『Koelner Stadt-Anzeiger』紙の取材に対して、日本の印象について次のように語った。
 
「清潔で、人々は親切であり、そして何より安全だ。日本のあるスポーツショップは盗難防止をしていないと聞いた。誰もそこで盗まないんだ。とにかく快適で、本当に素晴らしい国だよ」
 
 さらに日本の自然についても言及し、「窓を見ると、海、山、緑が見える。本当に素晴らしい景色だ」と、心底、過ごしやすい生活環境が気に入っているようだ。
 
 しかしながら、サッカーどころドイツからやってきたスーパースターは、日本のスポーツ界に多少の違和感を抱いてもいるようだ。
 
「大半の人が僕を放っておいてくれるというか、気にしていない。それはこの国が、野球や相撲ほど、サッカーに焦点を当てていないからだと思う。僕の読んだ新聞じゃ、日本のチーム(浦和レッズ)が、アジアチャンピオンズ・リーグを優勝した時も4面だった。しかも、白黒のちょっとしたレポートだ。1面は競馬で、2面と3面は野球だったと思う」
 
 実際に野球と相撲の観戦にも足を運んだというポドルスキは、「本当に面白かった」と話しつつも、「僕は伝統がしっかりと守られていると冷静に感じたよ」とサッカー人気との差についての自身の見解も明らかにしている。
 
 そして、ポドルスキの日本サッカー界への厳しい言及は続く。
 
「ファンの献身性は素晴らしいけど、正直、Jリーグがどこに行きたいのかが分からない。マーケティングも方向性を見失っているし、残念ながら日本代表も停滞しているよね」
 
 日独でのサッカーへの関心度の違いに驚き、所属する神戸には「外国人獲得よりも日本人選手を育成すべきと忠告した」という。
 
 そんな元ドイツ代表FWは、神戸とは2019年12月までの契約を結んでいるが、ドイツの一部メディアでは、愛着のある古巣ケルンへ移籍するという報道も出ている。そんな気になる去就問題について当人は、次のように答えている。
 
「何パーセントの確率で戻るかは見当がつかないよ。だってそれは結局、僕ひとりで決断できるものではないからね。だから、オープンなままにしておこう」
 
 日本サッカー界に厳しい提言をしたポドルスキ。現状のままであれば、怪我が癒えれば、神戸へ戻って日本での2シーズン目を迎えるはずだが……。