16歳が決めたトップチーム初ゴールは、さまざまな想いが詰まったものだった。
 
 3月14日に行なわれたルヴァンカップ・Aグループ2節の新潟戦で、FC東京の久保建英は70分からピッチに入った。

 公式戦では初となる右サイドハーフに入った久保は、キレのある動きでボールに絡んでいく。そして、圧巻の一撃をネットに突き刺したのは76分だ。
 
 ?萩洋次郎の縦パスを受けたディエゴ・オリヴェイラはシンプルに久保へボールを預ける。パスを受けた久保はスペースが限られていたなかでドリブルを選択。「結果的にボールがひとつ前に入ってきたので、(ほかの選手が)ディフェンスの注意をそらしてくれた」と本人が振り返ったように、周囲のサポートを受けながらドリブルのコースを瞬時に見極めてペナルティエリアに侵入する。

 最後は得意の左足で逆サイドネットにボールを流し込み、トップチームでの公式戦初得点を決めた。
 
 この決勝弾で16歳9か月10日の久保は、福岡のFW森本貴幸(当時東京V)が持っていた16歳10か月12日のルヴァンカップ史上最年少得点記録を更新。Jリーグの歴史に名を残すこととなった。

 ただ、メモリアル弾は久保にとってあまり重要でなかったようだ。試合後、自身の得点でチームを公式戦初勝利に導いた久保は「今シーズンのチーム初勝利、個人としては初ゴール。今日はいい形で試合を終えることができた」と試合を総括しつつ、さまざまな人の想いに報いたいという気持ちがあったと明かした。

  実際にゴールが決まると、久保は一目散にゴール裏に陣取るサポーターの下へダッシュ。雄叫びを上げ、ともに喜びを分かち合った。

 その行動について、本人も「嬉しかったですし、いろんな方の期待に応えられて良かった」という想いがあったと明かす。
 
 今季は公式戦に全試合出場し、ファンやメディアから大きな注目を浴びてきた。想像を絶する重圧のなかで結果を残せず、悔しい想いを味わってきたのは想像に難くない。
 
 それでも、16歳はシーズン開幕早々に結果を残し、自らの足でスタッフや先輩たちを含む周囲の期待に応えた。新潟戦のゴールは久保にとって一生忘れられないものになったはずだ。
 
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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