7月16日、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEAST・9節が行なわれ、FC東京U−18は柏U−18に1−6の大敗。昨年のプレミアリーグチャンピオンシップを制したチームはまたしても勝利を掴めず、前半戦を9位で終えた。
 
 今季は元々、3年生が例年より少ない世代で開幕前から佐藤一樹監督も「厳しい戦いになるかもしれない」と苦戦を予想していたのだが、9試合で1勝という事態はさすがに想定の範囲外だろう。試合後、指揮官は「サッカーの本質的なところでまだ弱さがある。そこはまだやらないといけない」と語り、チームが苦境から抜け出せない現状に頭を悩ませていた。
 
 ただ、柏戦で光明がなかったわけではない。後半開始からピッチに入った1年生ドリブラー・角昂志郎の存在は、閉塞感が漂うチームに希望を与えた。
 
 サイドで何度も動き直して相手の背後を取り、ボールを受ければ勇猛果敢に突破。クロスやフィニッシュに繋がる回数こそ少なかったが、チームの攻撃は前半よりも明らかにスムーズになった。
 
 春先から大きな期待を懸けられていた角。佐藤監督も彼の一人立ちを待ち望んでおり、1年生ながらもプレミアリーグEASTで何度も出場機会を与えてきた。
 
 そんな注目株は、ほとんどがFC東京U−15深川と同むさしの出身者で占めるチームにおいて異色の経歴の持ち主。このドリブラーが赤青軍団の一員になったのはこの春からで、中学時代は武蔵野シティU−15に所属していたのだ。

 当時から実力は飛び抜けており、全国の舞台で活躍。昨夏のU−15クラブユース選手権ではエースとして躍動し、8強入りに大きく貢献した。

 来年のUー17ワールドカップ出場を目指す世代別代表でも、立ち上げからチームに参戦。角が高校進学時にどのクラブに進むかが、大きな関心事項だったのは言うまでもない。
 
 注目を集めていたなかで、角はFC東京U−18への加入を決断したのだが、本人に選択の理由を尋ねてみると、ひとつの答えが返ってきた。久保建英と一緒にプレーをしたかったというのだ。
 もっとも、自身が加入を決めた直後の昨年11月に久保はトップに昇格。そのため、思惑は外れてしまったが、この出来事は角の闘志に火を付けた。

 「早く久保くんに追い付きたい」

 そう誓った角だが、まだスタメン定着を果たせておらず、守備面の課題も多い。トップチームやUー23チームで出場可能となる2種登録をされていない現状を踏まえれば、まずはU−18チームで結果を残すことが必要不可欠だ。

 幸いなことに、7月22日からU−18クラブユース選手権が開幕する。かつて久保も活躍した大会で角が目に見える答えを出せば、2種登録される可能性はあるだろう。そして、久保との共演もより現実的なものになるはずだ。

 本人も意欲は十分だ。「1年生だからといって、(気持ちに)余裕を持ってプレーできるわけではない。トップにすぐに上がりたいし、将来のことも考えている。ここで(チャンスを)待っていてはダメ。自分が引っ張るくらいにならないといけない」と、1年生らしからぬ気概を示した。

 チームを大会3連覇に導く有言実行の活躍を見せられるか。注目の1年生は、夏の大舞台で虎視眈々と主役の座を狙っている。 

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)