日本はかろうじてファイナル進出を決めた。決勝トーナメントに入ってから3戦連続での1点差勝利。まさに綱渡りの行進である。
 
 インドネシアで開催中のアジア大会は、水曜日に男子サッカー競技の準決勝が行なわれ、日本はUAEを相手に1−0の辛勝。立ち上がりから主導権を握り、再三に渡ってチャンスを掴みながらも決め切れず、ようやく78分に途中出場の上田綺世が値千金弾を蹴り込んだ。薄氷を踏む思いで、2大会ぶり2回目の決勝行きを手繰り寄せたのだ。
 
 土曜日のファイナルで盟主の座を争うのは、尻上がりに調子を上げている韓国。準決勝では快進撃を続けるベトナムを攻守両面で圧倒し、3−1の快勝を収めた。オーバーエイジ枠で参戦中のFWソン・フンミン(トッテナム)、FWファン・ウィジョ(ガンバ大阪)らが試合を重ねるごとにU-23世代との連携を深め、理想的な形でチーム力を高めている。
 
 ソン・フンミンは「もはやどこが相手だろうと僕たちの敵ではない。かならず金メダルを獲る」と宣言した。登録メンバー全員の兵役免除まであと1勝。大一番を前に、モチベーションは天井知らずの高揚を見せている。

 
 その上昇ムードを共有しているのが韓国メディアだ。全国スポーツ紙『スポーツ・ソウル』は母国代表チームのファイナル進出を称えつつ、準決勝のUAE戦を含めた今大会の“森保ジャパン評”を展開。「我々が負けるわけがない」とばっさり切り捨てている。
 
「日本はスーパーサブであるウエダの決勝点でなんとかファイナルに辿り着いた。よってアジア大会2018の金メダル決定戦は、韓国と日本による一大戦争で決着が付けられる。ただ、今大会の日本はお世辞にも強いとは言えない。パワー不足の脆弱なチームだ。UAE戦ではパスを悠々と繋ぎながらも決定的なチャンスを掴めず、掴んでもフィニッシュをフイにし続けた。試合運びにおいても見るべき点は少ない」
 
 日本は今大会でオーバーエイジ枠を活用せず、あくまでも2年後の東京五輪に向けたチーム強化を柱に据えている。そもそもそこに、韓国とは大きな違いがあると、同紙は見ているのだ。
 
「2020年の東京五輪は今年開かれるわけでもないのに、日本チームは1997年と1998年に生まれた選手たち、つまりはU-21世代で大会に臨んでいる。2年後の自国開催の五輪でメダルを獲るための布石だという。そんなチーム構成であることを考えればよく戦っていると言えるが、やはり結果としてパワーに乏しく、ライン間のギャップが散見される。さらに敵陣エリア内でのアイデアに欠け、フィジカルの弱さも顕著だ。かたやディフェンディングチャンピオンの韓国は大会屈指のチーム力だ。決勝トーナメント以降、イラン、ウズベキスタン、ベトナムといった好チームを力でねじ伏せてきた。ソン・フンミンやファン・ヒチャン、イ・スンウらA代表で活躍する選手も揃う。内容と結果の両面で充実してきているのだ」
 
 最大の違いは、日本とはモチベーションの差だと言い切る。
 
「やはり兵役の部分が関わっているだけに、韓国の選手たちのモチベーションは尋常ではないレベルに達している。一方日本は、どこかここまでの成績に満足しているようなフシがある。もちろん決勝ではなにが起こってもおかしくはないが、金メダルがもたらす価値の違いは明らかで、我が代表チームにとって韓日戦はイージーなゲームになるだろう」

 
 森保ジャパンにとってはかなり手厳しい論調だが、もしU-23韓国代表もこのように楽観視し、U-21日本代表を過小評価しているのだとしたら、日本にとっては好都合だ。海外組がひとりもおらず、複数の大学生が奮闘しているチームもまた、苦闘の連続のなかで大きな飛躍を遂げている。そのことを見落としてはいないだろうか。
 
 運命のファイナルは、日本時間土曜日の22時キックオフ。アジア大会の決勝で日韓両国が激突するのは今回が初めてだ。はたしてどんな熱きバトルが繰り広げられるのか。日本の2大会ぶり2回目の戴冠に期待がかかる。

参照元:スポーツ・ソウル